2001 Fiscal Year Annual Research Report
冠動脈ステント植え込み術後の平滑筋細胞増殖に関する免疫組織学的、分子生物学的検討
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11670708
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
片桐 敬 昭和大学, 医学部, 教授 (90102293)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 洋 昭和大学, 医学部, 助手 (90266106)
下司 映一 昭和大学, 医学部, 助教授 (50192050)
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Keywords | ステント / 再狭窄 / 血管平滑筋細胞 / 血管内皮細胞 / 冠動脈インターベンション |
Research Abstract |
ステント後再狭窄の主な原因である血管平滑筋細胞(VSMC)の過剰増殖に、ローキナーゼ(Rho K)の活性化が関与している可能性が最近報告されている。しかし,大型動物を用いた冠動脈形成術後のVSMCの増殖に関するシグナル伝達機構については不明の点が多く,Rho Kの関与も明らかでない。そこで、ステント植え込み部位の増殖内膜におけるRho Kの発現をブタ冠動脈ステント植込みモデルで検討した。また,Rho K阻害薬であるY27632をdrug deliveryカテーテルを使用してステント植え込み部に注入し,再狭窄の防止ができるかどうかを検討した。 去勢雄ブタの左冠動脈にバルーン傷害を加え、その2週後に同部位にステントを植え込んだ。ステント植え込み部にdrug deliveryカテーテルよりY27632を注入した。4週間後に血管内超音波を施行後屠殺した。対照群は生理食塩水投与群とした。光顕免疫組織化学、Western blot、RT-PCRを施行し、Rho Kの発現を検討した。 血管内超音波では、Y27632投与群では、生食投与群と比較し有意に新生内膜増殖は抑制され、血管内腔は広く保たれていた。光顕免疫組織化学、Western blot、RT-PCRでは、生食投与群と比較しY27632投与群ではRho Kの発現は減弱していた。 Rho K阻害薬であるY27632は、ステント植込み後の新生内膜に発現してくるRho Kを抑制することにより、冠動脈形成術後の再狭窄を抑制する可能性がある。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 鈴木 洋: "冠動脈インターベンション後の冠動脈リモデリング"医学のあゆみ. 別冊. 30-34 (2000)
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[Publications] 萬屋 穣: "ブタ冠動脈狭窄モデルを用いた7種のステント植え込み後の再狭窄の形態と組織学的検討"J Cardiol. 38. 273-280 (2001)
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[Publications] Masayuki Shibata: "The involvement of vascular endothelial growth factor and flt-1 in the process of neointimal proliferation in pig coronary arteries following stent implantation"Histochem Cell Biol. 116. 471-481 (2001)