2000 Fiscal Year Annual Research Report
心筋ミトコンドリアNa^+/H^+交換系とCa^<2+>イオン動態,redox状態との関連
Project/Area Number |
11670715
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
安武 正弘 日本医科大学, 医学部, 講師 (70281433)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
草間 芳樹 日本医科大学, 医学部, 講師 (40169983)
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Keywords | Na^+ / H^+交換系 / ATP感受性K^+チャンネル / 心筋細胞 / ミトコンドリア |
Research Abstract |
平成12年度の研究目標は(1)ラット単離心筋細胞におけるミトコンドリアredox状態の測定法を確立すること、(2)外因性酸化ストレスによるミトコンドリア傷害モデルを作成し、Na^+/H^+交換系(NHE)阻害薬の効果を評価することであった。ミトコンドリア内フラボ蛋白の酸化還元状態をモニターするため,PTI社製細胞内イオン検出装置を用い,480nmの励起光により発生する波長530nm付近の弱い蛍光を検出した。単離直後の心筋細胞では細胞分離自体が酸化還元状態に強く影響するため、一定の結果が得られず。12時間〜24時間の培養が必要となった。Redox状態の評価は細胞10に1つ程度しか成功せず、また(2)のミトコンドリア傷害モデルの作成は困難であった(毎回細胞の状態が異なるため可逆的傷害を与えるための酸化ストレスの程度を決めることができなかった)。 そこで目的を変更し、NHEと同様ミトコンドリアに存在し心筋保護に関係するとされるATP感受性Kチャンネル(KATP)の開口とフラボ蛋白のredox状態への影響とNHEとの関係を調べることにした。現在KATP開口薬がフラボ蛋白のredoxを約40%酸化へシフトするこという結果が得られた。現在はこのシフトに対するNHEの影響を検討中である。また、付随実験としてミトコンドリアKATP開口作用のあるされるニコランジルの梗塞縮小効果をラット低流量虚血モデル(5%の血流にて虚血状態を作製)にて検討。対象では23±5%から6±4%へと有意な梗塞縮小効果が認められ、その効果はミトコンドリアKATP阻害薬5HDにてほぼ遮断された。
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