1999 Fiscal Year Annual Research Report
心筋症ハムスターに対する肝細胞増殖因子遺伝子導入による心不全治療
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11670729
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Research Institution | National Cardiovascular Center Research Institute |
Principal Investigator |
駒村 和雄 国立循環器病センター研究所, 循環動態機能部, 室長 (90311448)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮崎 純一 大阪大学, 医学部・分子病態栄養制御学, 教授 (10200156)
中村 敏一 大阪大学, 医学部・腫瘍生化学, 教授 (00049397)
砂川 賢二 国立循環器病センター研究所, 循環動態機能部, 部長 (50163043)
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Keywords | 拡張型心筋症 / 心不全 / 肝細胞増殖因子 / 遺伝子導入 / 心筋リモデリング / 心筋線維化 |
Research Abstract |
(1)ラットHGFcDNA(pBS-rat)を、筋親和性を実現するべくβアクチンプロモーターを有するプラスミド(pCAGGS)に組み込んだ(pKSCX-ratHGF)。同様にヒトHGFcDNA(pBS-7)をpCAGGSに組み込んだ(pKSCX-humanHGF)。プラスミド設計が遺伝子発現に妥当かを確認するため、蛋白発現実験系として繁用されるHEK293細胞に対するカチオン性脂質遺伝子導入法を用い、2種のHGF発現を計測した。ラットHGFの発現は確認されたが、ヒトHGFの発現は認められずコンストラクトの再検討を要するため、実験にはpKSCX-ratHGFを使用した。(2)培養細胞に対する遺伝子導入:予算上、細胞用電気穿孔装置が入手できず、超音波穿孔法を試みた。超音波のみにては遺伝子発現は認められず、293細胞とラット培養心筋細胞の両者に対し、超音波造影剤との併用によりラットHGFの培養上清中への有意な発現を確認した。(3)心筋組織に対する遺伝子導入:心筋症ハムスターTO-2(当初予定のBio53.58は系自体が死滅したため同系のTO-2へ変更)の心臓前壁中隔領域に体外より注射針による直接遺伝子導入を試みた。閉胸でのエコーガイドの際に超音波造影剤との併用を試みた。レポーター遺伝子LacZの心筋内発現が確認された。造影剤併用の有無にかかわらず、末梢血中へのHGF産生は認められなかった。心機能変化は導入一週間以内には認めなかった。心筋局所でのHGF産生は内在性HGFと区別しうる測定系をTaqManプローブを用いて現在設計中。(4)個体への遺伝子導入:TO-2の下肢骨格筋に対しLacZならびにIL5プラスミドを電気穿孔法にて導入し、局所でのレポーター発現と末梢血中へのIL5産生を認めた。(5)次年度予定:骨格筋へのHGF導入後の心筋組織病理・心機能測定。心筋に対する電気・超音波穿孔法の試み。
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