2000 Fiscal Year Annual Research Report
循環器疾患におけるアドレノメデュリンの臨床応用を目指した基盤研究
Project/Area Number |
11670731
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Research Institution | DOKKYO UNIVERSITY SCHOOL OF MEDICINE |
Principal Investigator |
錦見 俊雄 獨協医科大学, 医学部, 助教授 (80291946)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
寒川 賢治 国立循環器病センター研究所, 生化学部, 部長 (00112417)
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Keywords | アドレノメデュリン / 心不全 / 心肥大 / 心筋細胞 / 肺高血圧 |
Research Abstract |
申請者らは循環器疾患におけるAM(アドレノメデュリン)の臨床応用を目標とした基礎研究および臨床研究を遂行し、以下の研究業績を挙げた。 1.心筋梗塞ラットモデルを作成し、梗塞部におけるAMの急性期のペプチドおよび遺伝子発現レベルでの高値を示し、心筋梗塞後心室リモデリングにおけるAMの意義を示した。 2.ヒト心不全においてAMの経静脈的投与効果をhANP(ヒト心房性利尿ペプチド)と比較した。AMはhANPに比べて、心拍出量増加効果は大きいこと、腎作用は小さいことを明らかにした。 3.腎不全、高血圧、急性心筋梗塞患者における血中および尿中のAMの分子型を測定した。血中AMは非活性型が大部分であったが尿中の活性型AMの比率は血中に比し高かった。またこれらの病態とともに血中および尿中のAMは変動し、その病態を代償していることが示唆された。 4.心不全ラットを作成し腎臓内AMと受容体系について検討した。心不全の非代償期に腎臓の糸球体、集合管などでAMは増加するが、その機序としてAM遺伝子の転写活性の増加が示唆された。一方、AM受容体遺伝子の転写活性に変化はなかった。腎臓内で増加したAMはナトリウ利尿作用などを介して心不全を代償する方向で働いている可能性が示唆された。 5.肥満を伴う高血圧患者において減量前後でのAMおよびナトリウム利尿ペプチドについて検討した。肥満を伴う高血圧患者においてAMおよびナトリウム利尿ペプチドは高く、減量とともに低下したことから、この病態におけるAMの増加は代償機転であることが示唆された。 以上の結果からAMは心不全や心筋梗塞の病態において、心臓、腎臓の両臓器で発現が増加し、病態を代償していることを明らかにした。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Nagaya N: "Cardiac adrenomedullin gene expression and peptide accumulation after acute myocardial infarction in rats."Am J Physiol Regul Integr Comp Physiol. 278. R1019-R1026 (2000)
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[Publications] Nishikimi T: "Production and clearance sites of two molecular forms of adrenomedullin in human plasma."Am J Hypertens. 13. 1032-1034 (2000)
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[Publications] Nagaya N.: "Hemodynamic and hormonal effects of adrenomedullin in patients with pulmonary hyeprtension."Heart. 84. 653-658 (2000)
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[Publications] Nishikimi T: "The active molecular form of plasma adrenomedullin is extracted in the pulmonary circulation in patients with mitral stenosis : possible role of adrenomedullin in pulmonary hypertension"Clin Sci. 100. 61-66 (2001)
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[Publications] Yoshihara F: "Alterations of intrarenal adrenoemdullin and its receptor system in heart failure rats."Hypertension. 37. 216-222 (2001)
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[Publications] Nshikimi T: "Molecular forms of plasma and urinary adrenomedullin and its production and clearance sites in patients with hypertension and chronic renal failure."J Hypertension. (in press). (2001)