1999 Fiscal Year Annual Research Report
Ataxia-telangiectasiaにおける神経細胞死の機序に関する研究
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11670762
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
岡 明 鳥取大学, 医学部, 助教授 (00251273)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
難波 栄二 鳥取大学, 遺伝子実験施設, 助教授 (40237631)
赤星 進二郎 鳥取大学, 医学部, 講師 (90231810)
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Keywords | Ataxia-telangiectasia / 毛細血管拡張性運動失調症 / Louis-Bar症候群 / ATM / 小脳失調 |
Research Abstract |
Ataxia-Telangiectasia(A-T)は、ATM(A-T mutated)遺伝子の異常が原因となる疾患で、神経系および免疫系を主とする多系統が障害される。本疾患の主要な症候である神経症状としては、進行性の小脳失調が特徴的である。これは神経病理学的な変化として認められる小脳皮質の神経細胞の脱落によるものと考えれる。我々はこれまでにATM蛋白が発達期の小脳皮質の神経細胞の細胞質に特に強く発現していることを見い出し、こうした細胞でのATMの機能が神経細胞の生存に不可欠であり、A-Tでの小脳の病変に関係していることを明かにしてきた。しかしA-Tでは、小脳皮質以外にも病変は認められる。これまでの報告例では、小脳歯状核、中脳黒質、橋青斑核、延髄下オリーブ核、脊髄前核などでの変化が記載されている。但し、その分布は一定せず、特異的なものであるかどうかもはっきりしていない。そこで、今回われわれは、ATM蛋白の分布を検討し、こうした病変の分布との関連を考察した。神経病理学的に正常と判断された剖検脳において、ATM蛋白の免疫組織科学を行い、発現を検討した。その結果、ATM蛋白は中枢神経系でも、特にテント下の神経細胞に発現が認められた。大脳皮質や基底核の神経細胞では、発現が認められないか、あるいは極めて少数の細胞にのみ認められた。これに対して、脳幹および脊髄の神経細胞では広範に発現が認められた。特にA-T患者において、病変が認められることが報告されている小脳歯状核、中脳黒質、橋青斑核、延髄下オリーブ核、脊髄前核などでの発現は強く認められた。従って、A-T蛋白の発現は、これまでのA-T患者脳で病変が認められた領域も含む、脳幹や脊髄の神経細胞に広範に認められた。こうした結果から、こうした病変がATMの異常によるPrimaryな変化であるものと考えられた。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Y.Kurachi,A.Oka,Y.Ohkoshi,M.Sasaki,M.iItoh,M.Mizuguchi,S.Takashima: "Rapid diagnosis of classical late-infantile neuronal ceroid-lipofuscinosis(CLN2)using antibodies against CLN2 protein"Neurology. (in press).
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[Publications] A.Oka,S.Takashima: "The upregulation of metabotropic gutamate receptor5(mGluR5)in Down syndrome brains"Acta Neuropathol(Berl). 97. 275-278 (1999)
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[Publications] A.Oka,M.Itoh,S.Takashima: "The early induction of cyclooxygenase 2 associated with neurofibrillary degeneration in brains of patients with Fukuyama-type congenital muscular dystrophy"Neuropediatrics. 30. 34-37 (1999)
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[Publications] S.Z.Meng,A.Oka,S.Takashima: "Developmental expression of monocyte chemoattractant protein-1 in the human cerebellum and brainstem"Brain and Developement. 21. 30-35 (1999)
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[Publications] M.Saito,M.Iwamori,B.Lin,A.Oka,Y.Fujiki,N.Shimozawa,S.Kamoshita,M.Yanagizawa,Y.Sakakihara: "Accumulation of glycolipids un mutant Chinese hamster ovary cells(Z65)with defective peroxisomal assembly and comparison of the metabolic rate of glycosphingolipids between Z65 cells and wild-type CHO-K1 cells"Biochem et Biophysica Acta. 1438. 55-62 (1999)