2000 Fiscal Year Annual Research Report
DPT三種混合ワクチンの有効性および改良に関する研究
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11670765
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
楠原 浩一 九州大学, 医学部・附属病院, 助教授 (20243941)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中尾 太 九州大学, 医学部・附属病院, 医員
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Keywords | 三種混合ワクチン / 成人 / 安全性 / 有効性 / 副反応 / 予防接種 / 百日咳 / 疫学 |
Research Abstract |
(1)DTaPワクチンの臨床的・疫学的有効性の評価 北九州市は過去10年以上にわたり同一成分のDTaPワクチン接種を行っている。同市医師会協力のもと、後方視的および前方視的な百日咳疫学調査を行ってきた。後方視的調査では、DTaPワクチンの有効率は79%であった。 昨年度からWHOの百日咳診断基準に従い、DTaPワクチンの前方視的な有効性評価(Case-Control study)を行っている。同地域には百日咳の小流行が続いており、これまで61例の症例が登録された。このうち、菌分離が2例、対血清で百日咳と診断できた症例を含め合計13例が確認できた。13例中8例が1歳未満児で、男児6例、女児7例であった。DPTワクチン接種歴は、12例が接種歴なし、1例が4回の接種歴があった。 現時点で、本Case-Control studyでのDTaPワクチンの有効率は85.6%、さらにDTaPワクチン1回以下の接種者は2回以上の接種者に比べ百日咳感染に関して6.9倍リスクが高い(オッズ比6.9)と計算された。今後も更なる症例の集積と解析を継続していく予定である。 (2)効果的な接種法に関する研究:第2期接種のワクチンの再検討 年長児や成人へ現行のDTaPワクチン接種し、その安全性と有効性を検討している。これまで10歳代28例、20歳以上の成人94例に接種を行った。局所副反応として5cm以上の発赤・腫脹があった成人が1例、1〜5cmが10歳代に1例、成人3例であった。全身性副反応を呈した症例は認めなかった。今後とも症例の集積を行い、安全性と有効性の確認を継続していく。
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