1999 Fiscal Year Annual Research Report
急性脳症に対する脳低温療法を含めた新たな治療法確立のための基礎的検討
Project/Area Number |
11670774
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
相原 雄幸 横浜市立大学, 医学部・附属病院, 助教授 (50211686)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大槻 則行 横浜市立大学, 医学部・附属病院, 助手 (00264622)
根津 敦夫 横浜市立大学, 医学部・附属病院, 講師 (10237810)
横田 俊平 横浜市立大学, 医学部, 教授 (10158363)
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Keywords | 急性脳症 / 治療法 / 脳低温療法 / 小児 |
Research Abstract |
インフルエンザウィルス感染症などに伴う急性脳症は小児期における重篤な疾患の一つであるが、その発症機序が明らかにされていなかったためにその治療法はほとんど進歩せず、新たな治療法の早急な確立が望まれてきた。一方、近年の研究からその本体は急性ウィルス感染などを契機に惹起された血液脳関門の破綻、サイトカインの異常産生とそれにひきつづく組織障害であるとされつつある。そこで、この急性脳症に対する治療目標としては、サイトカインの異常産生の抑制、興奮性アミノ酸などによる二次的な神経細胞傷害の予防、脳浮腫の予防、血液脳関門破綻の阻止などがあげられる。そのために、我々は成人頭部外傷や心肺停止蘇生後の患者に行われつつある脳低温療法とステロイド大量療法さらに血漿交換療法を小児急性脳症に対する治療法として導入することとした。 この治療法導入にあたっては、当施設で1987〜1996年までの10年間に治療した感染に伴う急性脳症35例の検討を行い、その結果から従来の治療法の限界が明らかにされたことがあげられる。すなわち、35例中死亡10例、寝たきりの重度脳障害11例、異常なく回復した10例と急性脳症の予後は極めて不良であった。 これまでに約10症例に脳軽度低温療法を実施し、各種サイトカインの測定を始めとした詳細なデータを蓄積しつつある。この治療法の導入により従来の治療法と比較してその予後は良好な結果が得られた。今後さらに症例数を増やし、各種データの蓄積を行うと同時に今後小児におけるこの治療法の確立を目指して適応基準などを作成したいと考えている。
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Research Products
(2 results)