2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11670782
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Research Institution | Dokkyo Medical University |
Principal Investigator |
江口 光興 獨協医科大学, 医学部, 教授 (60020799)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三上 哲也 獨協医科大学, 医学部, 助手 (60316586)
黒澤 秀光 獨協医科大学, 医学部, 講師 (10205239)
杉田 憲一 獨協医科大学, 医学部, 助教授 (80142404)
佐藤 雄也 獨協医科大学, 医学部, 助手 (90265306)
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Keywords | 臍帯血 / 幹細胞 / 電子顕微鏡 / 白血球 / サイトカイン / Tリンパ球 / NK細胞 |
Research Abstract |
臍帯血細胞の電子顕微鏡的特徴:昨年同様の手技を用いて電子顕微鏡的観察を行った。臍帯血細胞は正常末梢血細胞とは異なり、好中球では、幼若な細胞、すなわち、前骨髄球〜骨髄球がかなり高頻度にみられた。成熟好中球ではnuclear pocketを有するものや、apoptosisの細胞も存在した。好酸球でも顆粒の異常がみられた。単球は正常末梢血に比べて多く、また、幼若な傾向を示した。リンパ球は核の強い切れ込み、クローバ状の核、Sezary syndrome様など核の変形が目立った。核小体を有する幼若なリンパ球も多かった。赤血球系では赤芽球がみられ、ミトコンドリアの残存する赤血球も頻度が高かった。 臍帯血培養細胞の形態的特徴:臍帯血細胞のCD34陽性細胞を、SF,GMCSF,IL4,IL6添加培養、電子顕微鏡にて観察すると、未熟な骨髄-単球系細胞が多く、成熟した好中球が少なかった。マクロファージも多く観察された。臍帯血培養細胞では、ペルオキシダーゼ反応は弱く、また、陽性顆粒は小型で数も少なかった。以上の所見は昨年と同様であった。 以上の形態的所見をまとめると、臍帯血細胞は末梢血細胞に比べて幼若をあり示すものが多く、微細構造的にも正常末梢血と異なっていた。培養により得られて白血球は骨髄培養により得られた細胞とは異なっていた。 臍帯血Tリンパ球の特性:CD4細胞およびNK(CD3陰性、CD56陽性)細胞に発現する活性化抗原を測定し、移植片宿主病(GVHD)との関わりについて検討した。CD3,CD4,CD8,CD56,HLA-DR,CD25,CXCR3,CTLA4,のモノクローナル抗体用い、フローサイトメトリー法にて測定した。臍帯血ではCD56,HLA-DR,CXCR3の発現が小さく、CTLA4が同等,ないしそれ以上に発現していた。これらはGVHDに関して有利に作用するものと考えた。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] K.Sugita,T.Taki,Y.Hayashi,H.Shimaoka,H.Kumazaki,H.Inoue,Y.Konno,M.Taniwaki,H.Kurosawa,M.Eguchi: "MLL-CBP Fusion Transcript in a Therapy-Related Acute Myeloid Leukemia With the t(11;16)(q23;p13) Which Developed in an Acute Lymphoblastic Leukemia Patient With Fanconi Anemia"Genes, Chromosomes and Cancer. 27. 264-269 (2000)
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[Publications] 林泰秀,滝智彦,大西宏明,井田孔明,小林美由紀,別所文雄,土田昌宏,日比成美,伊藤悦朗,杉田憲一,前田美穂,豊田恭徳,渋谷温,三上哲夫,岡敏明,須磨崎亮,馬渕理,大川洋二,月本一郎: "小児治療関連白血病と骨髄異形成症候群におけるMLL,RAS,p16およびp53遺伝子解析"日本小児血液学会雑誌. 14. 72-76 (2000)
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[Publications] 黒澤秀光,江口光興: "小児の骨髄異形成症候群の臨床"小児科. 41. 745-751 (2000)
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[Publications] 太田貴子,杉田憲一,平尾準一: "同種幹細胞移植後の患者末梢血リンパ球の細胞内interferon-γ産性能とtacrolimusの影響"Dokkyo Journal of Medical Sciences. 27. 245-251 (2000)
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[Publications] S Kojima,M Sako,K Kato,G Hosoi,T Sato,A Ohara,K Koike,Y Okimoto,S Nisimura,Y Akiyama,T Yosikawa,E Isii,J Okamura,M Yazaki,M Eguchi,I Tsukimoto,K Ueda: "An effective chemotherapeutic regimen for acute myeloid leukemia and myelodysplastic syndrome in children with Downs syndrome"Leukemia. 14. 786-791 (2000)