1999 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト内臓逆位の分子遺伝学的研究:INVERSIN・LEFTY2の遺伝子変異解析
Project/Area Number |
11670785
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
小さき 健次郎 慶應義塾大学, 医学部, 専任講師 (30234743)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小さき 里華 慶應義塾大学, 保健管理センター, 助手 (50234745)
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Keywords | 内臓逆位 / 左右軸 / 先天性心疾患 / 遺伝子変異 / 先天異常 |
Research Abstract |
1.ヒトINVERSIN遺伝子のcDNA配列全長および、エクソン・イントロン構造を決定した。ヒトINVERSIN遺伝子は,第9番染色体9q31に存在し、16個のエクソンから成り立ち1066アミノ酸の蛋白をコードすることを示した。さらに、変異解析を行うためのPCRプライマーを作成し、ゲノム配列から増幅することを確認した。次年度は、DHPLC法(後述)を用いて内臓逆位の患者120名を対象として変異解析を行う予定である。 2.内臓逆位の患者120名を対象としてヒトLEFTY2遺伝子の変異を解析した。数種類のアミノ酸置換が発見したが、これらの置換は正常対照においても認められたため、疾患に直接関与するとは結論づけられなかった。アミノ酸置換が、他の遺伝子の変異と協調的に作用し、susceptibility alleleとして発症に寄与している可能性も否定できず、次年度以降の検討課題である。 3.内臓逆位および仙骨低形成を合併した患者でヒトZIC3のアミノ酸置換を同定した。変異は、亜鉛フィンガードメイン内に認められた。同遺伝子の変異を持つ患者が発見されたのは、日本人としては一人目である。 4.母体糖尿病児における内臓逆位のモデルとして、NOD x ICRのF1マウスを検討した。ICRマウスのLefty1の変異解析を行ったところ、5'側の調節領域に6カ所の点突然変異を同定した。次年度は、Lefty2の5'側の調節領域のクローニングを行い、変異解析を行う。また、ヒトの母体糖尿病児における内臓逆位の患者検体を用いて同様の検討を行う予定である。 5.DHPLC法を応用して、高速に変異を解析する方法を開発し、特許申請した(出願番号平11-357701)。次年度、INVERSINの変異解析に応用する予定である。
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[Publications] Kenjiro Kosaki: "Characterization and mutation analysis of human LEFTYA and LEFTY B"American Journal of Human Genetics. 64(3). 712-721 (1999)
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[Publications] Rika Kosaki: "Mutation analysis of human Hnf3 beta, Smad2 and Nodal in NOD mouse"American Journal of Human Genetics. 65(4). A2607 (1999)