2000 Fiscal Year Annual Research Report
骨髄移植を受けた小児の成長および内分泌機能に関する長期的検討
Project/Area Number |
11670787
|
Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
篠原 治 東海大学, 医学部, 助教授 (40129466)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 俊一 東海大学, 医学部, 助教授 (70096212)
久保田 千鳥 東海大学, 医学部, 講師 (80189860)
|
Keywords | 骨髄移植 / 成長ホルモン / 成長障害 / 小児 |
Research Abstract |
骨髄移植は、白血病などの悪性腫瘍、再生不良性貧血などの非腫瘍性血液疾患の治療法として確立している。移植後の長期生存者数の増加に伴い、移植を受けた小児の成長障害、性腺機能不全など、長期的な内分泌機能への影響がクローズアップされている。特に、移植後の成長障害に関する報告は多いが、最終身長に至った症例での検討はいまだ不十分である。 今回は、小児期に骨髄移植を受け、最終身長に達した症例の成長と成長ホルモン(GH)分泌能につき検討した。思春期以前あるいは思春期に移植を受け、ほぼ最終身長に達した(年間成長率1cm以下)30例(男児23例、女児7例)で、19例は悪性疾患、11例は非悪性疾患である。移植時年齢は2〜14歳(中央値10.1歳)で、経過観察期間は8〜16年間である。前処置として、化学療法の他に悪性疾患は12Gy、非悪性疾患は3〜8Gyの放射線照射を受けた。GH分泌能は繰り返し行ったインスリン負荷と血漿IGF-I値により判定した。成長をSDスコアの変化として検討した所、最終身長SDスコアは治療前SDスコアより有意に低下し、10歳以前に移植を受けた症例が10歳以後に受けた症例より成長障害の程度は有意に強かった。原病、前処置の違いによる成長障害の差はなかった。GH分泌不全を呈した症例はなかった。以上より、若年時に移植を受けた症例で成長障害が強く、また、GH分泌不全は移植後の成長障害の主因とはならないと考えられた。
|
Research Products
(1 results)