2001 Fiscal Year Annual Research Report
臍帯血幹細胞移植におけるHLA制約解除に関する研究
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11670789
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
内山 浩志 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (10168718)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
星 順隆 東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (20057011)
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Keywords | 接着因子 / costimulatory signal / 造血幹細胞 |
Research Abstract |
臍帯血中のT細胞に関しては、定常状態では、臍帯血及び成人血中のT細胞の相違は見いだせなかったが、T細胞におけるcostimulatory pathwayの機能については、臍帯血T細胞において刺激後CD28がdownregulationする傾向が認められた。臍帯血T細胞は、anergy状態にあると報告されており、その機序にCD28が関与している可能性が示唆された。PMA,Ca ionomaycin刺激においては、臍帯血T細胞は、成人血と同様のIL-2産生能を有しており、primary reactionが正常であるとの報告を裏付ける結果と考えられた。従って、anergy状態はprimary reactionの未熟性に起因するものではなく、抗原rechallangeにおける反応性の低下によるものと考えられ、その機序としては、CD28の早期のdownregulationが関係している可能性が考えられた。また、B7/CD28のcostimulatory pathwayはT細胞活性化に働くが、CTLA-4はB7のシグナルを抑制する方向で働くことが近年明らかにされたため、臍帯血中T細胞においては、CTLA-4が常時発現している可能性がある。そこで、臍帯血中T細胞におけるCTLA-4の発現状況を検討した。その結果、通常状態では発現はみられず、また前述のような各種刺激を施行しても、CD28を上回るようなCTLA-4の活性化状態は検出されなかった。従って、臍帯血T細胞のanergy状態には、CTLA-4の関与は少ないと考えられた。
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