1999 Fiscal Year Annual Research Report
遠隔期川崎病の冠動脈リモデリング;特に進行性膜肥厚における増殖因子に関する研究
Project/Area Number |
11670794
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
朴 仁三 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (60256609)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中澤 誠 東京女子医科大学, 医学部, 教授 (10075567)
富田 幸子 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (40231451)
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Keywords | 川崎病 / 進行性局所性狭窄 / TGF-B / 血管内皮細胞増殖因子 / 内膜肥厚 / 血管平滑筋細胞増殖 / 血小板由来増殖因子 / 線維芽細胞増殖因子 |
Research Abstract |
川崎病は乳幼児に好発する原因不明の急性熱性疾患で、しばしば冠動脈瘤を形成し年余を経て狭窄に進展し、突然死や心筋梗塞を生ずる。炎症後の冠動脈リモデリングのメカニズムを明らかにし、遠隔期の治療法を確率することは緊急を要する重大な問題である。我々は血管増殖因子発現を、遠隔期に虚血性心疾患で死亡した川崎病11例のホルマリン固定冠動脈標本で調べ、冠動脈進行性狭窄のメカニズムを検討した。検討した増殖因子はTGFβ1とその受容体(TGF β-RI、TGFβ-RII)、血小板由来増殖因子(PDGF)とその受容体(PDGF-Rα)、線維芽細胞増殖因子(b-FGF)、血管内皮細胞増殖因子(VEGF)エンドセリンI(ET-I)である。長期ホルマリン固定標本でも、抗原性回復処理により増殖因子発現の有無の検討が可能であることを1.長期ホルマリン固定標本、2.overnightの比較的新鮮なホルマリン固定標本、3.新鮮凍結標本において発現を比較し論文発表した。次に冠動脈障害部位により増殖因子発現パターンが異なること、とりわけ進行性内膜肥厚をきたす冠動脈瘤の流入口部、流出口部において各種の内膜増殖因子の強い発現を認め、平滑筋細胞増殖、微小血管新生がみられ遠隔期にも活発な冠動脈リモデリングが行われていることを明らかにし論文発表した(後記)。川崎病におけるこれらの研究は国内外とも初めての試みで、昨年度の我々の報告は海外からも高く評価され、Los Angels,Children's Hospital循環器科との共同研究の申し出を受けている。
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Research Products
(2 results)