1999 Fiscal Year Annual Research Report
アドリアマシン心筋症におけるアポトーシスとそのシグナル伝達機構に関する研究
Project/Area Number |
11670801
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Research Institution | Kanazawa Medical University |
Principal Investigator |
高 永煥 金沢医科大学, 医学部, 助教授 (50161857)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
地崎 赴美子 金沢医科大学, 医学部, 助手 (90102037)
新村 順子 金沢医科大学, 医学部, 助手 (10256597)
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Keywords | アドリアマイシン / アポトーシス / 心筋症 / Fas |
Research Abstract |
ラットを用いてアドリアマイシン心筋症モデルの作製を試み,ヒトアドリアマイシン心筋症とほぼ組織学的に一致するモデルを再現性をもって作製することができた。このモデルの心機能を心エコーを用いて経時的観察するとアドリアマイシン投与後8週以降より心機能の低下がみられ、組織学的変化と一致し,さらに同時に行った分子学的解析においても,心筋細胞のアポトーシスの出現及び増加やFas抗原の過剰発現,心筋細胞膜上のFas-ligandの出現がみられた。これらの変化はアドリアマイシン投与後8週以降、9週、10週と経時的に増悪が見られた。アポトーシス細胞数の増加と共に心機能の低下がみられた。さらに心機能の悪化する前にanti-Fasligand antibodyを投与し,Fasを中和化を試みたところ心筋細胞のアポトーシスが減少し,心機能の低下も押さえることができた。このことよりアドリアマイシンによる心筋のアポトーシスにFas-Fas ligandの経路が関与していることが証明され,臨床的にもアドリアマイシン心筋症の予防の可能性が出てきた。
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