1999 Fiscal Year Annual Research Report
植物アレルギーにおける食物抗原感作リンパ球のサイトカイン産生能と治療による影響
Project/Area Number |
11670803
|
Research Institution | Aichi Medical University |
Principal Investigator |
縣 裕篤 愛知医科大学, 医学部, 講師 (80288505)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鶴澤 正仁 愛知医科大学, 医学部, 助教授 (90172064)
|
Keywords | 食物アレルギー / アトピー性皮膚炎 / フローサイトメトリー / IFN-_γ / IL-4 |
Research Abstract |
1.目的;アトピー性皮膚炎の乳児は、気管支喘息を発症することが多く、皮膚症状から呼吸器症状へと進展していくアレルギーマーチが認められる。一方、気管支喘息の治療薬であるテオフィリンは、近年、気道における種々の抗炎症作用が判明してきている。そこで、この抗炎症作用が、未だ気管支喘息を発症していない食物アレルギーの病態にどのような影響を及ぼすか、サイトカイン産生の面から検討した。 2.対象および方法;食物アレルギーのあるアトピー性皮膚炎を対象に、末梢血リンパ球・単核球(PBMCs)を採取。テオフィリン存在下にPMA,Ionomycinを加え培養。BFAを添加した後、FITC標識抗IFN-γ抗体およびPE標識抗IL-4抗体で二重染色し、フローサイトメーター(FACScan)にて細胞内サイトカインを測定した。IFN-γおよびIL-4産生細胞の占める割合を、テオフィリン非存在下での産生細胞の割合と比較検討した。 3.結果;テオフィリン存在下では、PMA,Ionomycin刺激によるIFN-γ産生はむしろ増強した。しかし、IL-4産生に関しては、種々の症例で異なっており、一定の傾向は認められなかった。 4.結論;食物アレルギーのあるアトピー性皮膚炎の患児では、ヘルパーT細胞のTh2が優位のため皮膚症状が発現すると考えられている。よって、テオフィリンがIFN-γ産生を増強することは、Th1優位に傾かせ、アトピー性皮膚炎の治療に応用することが可能であると期待できる。さらに、気管支喘息の治療薬でもあるテオフィリンを喘息発症以前より投与すれば、気道への抗炎症作用も期待でき、喘息発症の予防も可能になるかもしれない。 5.今後の展開;CLA発現、食物抗原刺激リンパ球増殖反応との関連を検討している。また、テオフィリンによるIL-5,IFN-γ,IL-4,IL-10のmRNA発現に関する影響を検討している。
|
Research Products
(1 results)