1999 Fiscal Year Annual Research Report
神経芽腫の集学治療における末梢血幹細胞・リンパ球・樹状細胞による細胞療法の開発
Project/Area Number |
11670804
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
江口 春彦 久留米大学, 医学部, 講師 (50213541)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長井 孝二郎 久留米大学, 医学部, 助手 (50299476)
稲田 浩子 久留米大学, 医学部, 助手 (90223221)
安藤 昭和 久留米大学, 医学部, 助手 (80222777)
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Keywords | 進行神経芽腫 / 末梢血幹細胞移植 / 細胞障害性T細胞 / 樹状細胞 / 腫瘍特異的免疫療法 / CD34陽性細胞純化 |
Research Abstract |
末梢血幹細胞採取に際し同時に採取される細胞障害性T細胞や樹状細胞を、造血幹細胞移植を前提とした大量化学療法後の微少残存腫瘍細胞に対しての免疫療法のソースとして期待が寄せられている。本研究では、進行神経芽腫において、1)複数回の移植に必要な末梢血幹細胞の採取、2)リンパ球からの特異的細胞障害性Tリンパ球の誘導による特異的免疫療法の検討、3)樹状細胞での特異的免疫療法の検討、4)腫瘍細胞での刺激による2)3)の免疫療法の増強効果、以上4点を3年間の研究で明らかにし臨床応用を目標とした。初年度(平成11年度)は、2症例において1)と2)について検討を行った。 【1】複数回の移植に必要な末梢血幹細胞の採取(分担者;稲田) G-CSFと化学療法併用により末梢血幹細胞を通常通りの方法で採取した。進行神経芽腫であり採取末梢血幹細胞中への腫瘍細胞混入の危険性が高いため免疫磁気ビーズ法にてCD34陽性細胞を純化した。症例1では4回目のnewA1レジメン後に、症例2では2回目のnewA1レジメン後に採取・純化を行い、各々体重1kg当たり6.6×10^6個、9.7×10^6個のCD34陽性細胞を採取できた。純度は平均87%、回収率は36%であった。 【2】特異的細胞障害性Tリンパ球の誘導(分担者;長井) 上記のCD34陰性分画中に含まれるリンパ球をIL-2存在下で培養し、day21に、K562(白血病細胞株)、COS-7(正常さる細胞株)、VA-13(正常ヒト細胞株)に対する細胞障害活性をIFN-γ産生にて測定した。2症例とも、VA-13に対する反応は見られなかったが、K562、COS-7に対しては、非特異的な細胞障害活性が認められた。来年度は、患者腫瘍細胞に対する特異的細胞障害活性、および、樹状細胞を用いた腫瘍特異的細胞障害活性を検討する予定である。
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