1999 Fiscal Year Annual Research Report
表皮角化細胞の接着機構の解明-瘢痕性類天疱瘡患者血清の認識エピトープ検討-
Project/Area Number |
11670820
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Research Institution | Toyama Medical and Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
松井 千尋 富山医科薬科大学, 附属病院, 講師 (10181679)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
諸橋 正昭 富山医科薬科大学, 医学部, 教授 (50018719)
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Keywords | ラミニン / 瘢痕性類天疱瘡 / 組み換え蛋白 |
Research Abstract |
5型ラミニンは表皮基底膜が真皮に接着するために重要な働きをし、ヘミデスモソームを構成している蛋白である。瘢痕性類天疱瘡患者の大部分はこの5型ラミニンに対する自己抗体を有していることが確かめられており、われわれが集めた患者血清も免疫沈降法でそのことを確認済みである。 本蛋白は3種のサブユニット(α、β、γ)からなる3量体である。自己抗体がどのサブユニットを認識しているのかを知ることが、本蛋白を介した細胞接着の機構の詳細を知るための手がかりになると考え、本研究を進めている。これまでのところ免疫ブロット法の結果などからα蛋白に対する自己抗体の頻度が高いことが確認されており、その詳細なエピトープ解析を進めている。現段階では、RT-PCR法で得られたα鎖cDNA(約1kbに断片化したもの)を真核細胞用発現ベクターに組み込み、293細胞にトランスフェクションし糖鎖を有するペプチドとして発現させることを試みている。この組み換え蛋白を患者血清を用いた免疫沈降法の材料にすることにより自己抗体の認識エピトープを絞り込むことが可能になる。 今後、患者血清と反応する組み換え蛋白を選定し、 1)組み換え蛋白を表皮角化細胞培養系に添加し、細胞接着、特にヘミデスモソーム形成に及ぼす影響を検討する。 2)組み換え蛋白に対するモノクローナル蛋白を作成し、培養細胞系や三次元培養系に添加しその影響を検討する。 以上の2点を計画中である。
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