1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11670822
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Research Institution | 山梨医科大学 |
Principal Investigator |
北嶋 敏之 山梨医科大学, 医学部, 講師 (40303408)
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Keywords | 樹状細胞 / 紫外線 / 免疫抑制 / XS106 |
Research Abstract |
樹状細胞(DC)は免疫応答を開始するのに必要不可欠な抗原提示細胞である。本研究の目的は、このような性質を有するDCに免疫的・遺伝子的に修飾を加え、抗原特異的な免疫抑制を誘導することである。さらには生体に不利な免疫反応をコントロール可能な実験動物モデルを開発することである。 DCに対する免疫学的修飾として先ず紫外線照射の効果を解析した。実験方法は以下の通りである。DCとしてはA/Jマウス由来の細胞株であるXS106を用いた。紫外線はUVB(サンランプ)を500J/m^2を照射した。DCに類似量のUVBを照射することで、DC側にアポトーシスを誘導することは既に報告しているがこのシステムでT細胞側に何らかの免疫不応答を誘導できることを期待して行った。DCをKLHでパルスした後、紫外線を照射する。そしてこのDCを同系マウスに皮下注しフットパッドの腫脹でみた遅延型反応に対する影響を見た。以下の結果を得た。 1)紫外線照射したDCを投与されたマウスKLHでの感作が有意に抑制された。無関係な抗原OVAでは感作の抑制が見られずこの抑制は抗原特異的であった。 2)予めKLHまたはOVAで感作を成立させておいたマウスに紫外線照射(抗原をパルスしておいた)DCを投与すると抗原特異的に遅延型反応の抑制が観察された。 以上より紫外線照射DCは抗原特異的免疫抑制誘導に有効であることが判明した。今後は同システムで自己免疫疾患モデル(多発性脳硬化症等)に応用しその効果をみていく予定である。
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