2000 Fiscal Year Annual Research Report
デスモゾームの細胞外領域に局在し、表皮細胞間での接着を架橋する新たな蛋白質の同定
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11670826
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Research Institution | KYOTO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
高橋 健造 京都大学, 医学研究科, 助手 (80291425)
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Keywords | デスモゾーム / ツーハイブッリド / ケラチン / 細胞接着 |
Research Abstract |
昨年度、デスモゾームの細胞外の構成成分の1つであるデスモコリンの細胞内領域をターゲットとして発現ベクターを作製し、ヒト皮膚の遺伝子ライブラリーをスクリーニングすることで、RACKI,Receptor for activated C kinaseの単離に成功した。この蛋白は活性化された蛋白リン酸化酵素C(PKC)の特にPKC βII同位体のアンカー蛋白である。さらに両者の相互作用は、培養上皮細胞における免疫染色像においてフォルボールエステル(PMA)の刺激によりRACKIがデスモゾーム蛋白と共存する染色像が確認されたことで、細胞生物学的にも証明された。このRACKI遺伝子を緑色蛍光蛋白に融合した導入遺伝子を表皮細胞に形質転換すると、フォルボールエステルの刺激によりこの遺伝子が細胞膜付近へ移動する像が観察された。デスモゾームはさまざまな外部よりの刺激によりリン酸化を受け、その接着能が変化するが、この各種の刺激の中でCキナーゼを介する刺激伝達経路にこのデスモコリンの細胞内領域が重要であることが証明された。 さらにデスモゾームを裏打ちする細胞内線維であるケラチン蛋白の家ケラチン14,ケラチン16遺伝子を目標ベクターとしてヒト皮膚遺伝子ライブラリーをスクリーニングしたところ、これまでに全く類似性の蛋白のない核膜に存在する蛋白がクローニングされた。この遺伝子にタグを付けた発現ベクターを上皮細胞に遺伝子導入すると核膜上においてケラチン線維とこの蛋白が共存する像が観察された。さらにこの蛋白は単層上皮細胞においては細胞間のタイト結合に一致する局在を示した。
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[Publications] Kenzo Takahashi et al: "Introducing a Null Mutation in the Mouse K6α and K6β Genes Reveals Their essential Structural Role in Oral Mucosa Epithelia"J.Cell Biol.. 150(4). 921-928 (2000)
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[Publications] Kenzo Takahashi et al: "Facilitated Wound Healing by Activation of the Transglutaminase 1 Gene."Am J Pathol. 157(6). 1875-1882 (2000)