2001 Fiscal Year Annual Research Report
アポクリン腺の17β―ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼタイプ3の発現と活性
Project/Area Number |
11670838
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Research Institution | OITA MEDICAL UNIVERSITY |
Principal Investigator |
浅田 裕司 大分医科大学, 医学部, 助手 (30284798)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 俊宏 大分医科大学, 医学部, 助手 (70244176)
園田 忠重 大分医科大学, 医学部, 助手 (80244169)
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Keywords | アポクリン腺 / 17β-HSD / 腋臭症 |
Research Abstract |
33歳女性の腋臭症患者の腋窩より吸引して得た組織より脂肪織、結合織を手術用顕微鏡下に除き、アポクリン腺を単離した。型のごとく燐酸バッファー(0.25M蔗糖を含む)中でホモジナイズし、遠心により核、ミトコンドリア、マイクロゾーム、サイトゾールの4つの分画を得た。これらの分画及びホモジネートを200nMの3H-アンドロステンジオン、1mMNADPHを含むバッファー中でインキュベートした。反応は前年度までの実験で活性のピークのみられたpH5.5とpH9.0で行った。 (結果) pH5.5:ホモジネート88(pmol/mg/hr)、サイトゾール51.2、ミトコンドリア17.4、マイクロゾーム14.0、核33.2 pH9.0:ホモジネート151、サイトゾール108、ミトコンドリア32.8、マイクロゾーム6.79、核77.9 (考察)前回同様、17β-HSD活性は特定の細胞内分画に局在していなかった。また、ホモジネート以上の活性を示す分画もなかった。特にpH5.5が至適pHであるtype3はマイクロゾーム分画に局在するが、今回の実験では逆に最も低く、type3の存在を裏づける成績は得られなかった。その理由として、細胞分画の操作がまずく、分画相互に混入があること、分画の操作中に一部失活(すべてホモジネートより低いので)したことが考えられる。しかし、可溶性分画が高い17β-HSD活性を示すことは、同じくアポクリン腺を材料とした、1976年のHodginsらの成績と合致する。今後、各分画のマカとなる酵素の活性を測定することにより分画操作をチェックした上で、アポクリン腺のアイソザイムの検討を行う必要がある。
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