1999 Fiscal Year Annual Research Report
スフィンゴ脂質、特にSPCの創傷治癒促進機序の解析
Project/Area Number |
11670850
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
坪井 良治 順天堂大学, 医学部, 助教授 (70221421)
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Keywords | 創傷治癒 / フフィンゴ脂質 / SPC / 線維芽細胞 / 創収縮 / 細胞外マトリックス |
Research Abstract |
sphingosylphoshorylcholine(以下SPCと略す)はスフィンゴ脂質の一つで、生理的には生体内には存在しないが、1)線維芽細胞の増殖を促進させること、2)動物モデルの創傷治癒を促進させること、が知られている。そこでSPCの創傷治癒促進機序を明らかにする目的で線維芽細胞を包埋したコラーゲンゲル収縮におけるSPCの影響を検討した。 (1)Matreya SPC(purity95%)を、単層培養した線維芽細胞にSPCを添加して、alamar blueの代謝活性を検討したところ、従来の報告に比較し、細胞増殖促進活性はほとんど認められなかった。また細胞毒性は高濃度においてのみ認められた。 (2)浮遊させた線維芽細胞を可溶化typeIコラーゲンと混合してゲル化させ、このゲルの収縮を経時的に測定して、SPCの収縮に及ぼす影響を調べた。その結果SPC依存性の収縮は10μMを至適濃度として濃度依存性に観察され、添加1時間後から48時間以上続いた。類似構造のスフィンゴ脂質ではスフィンゴ1リン酸に同様な作用を見いだしたが、スフィンゴシンやセラミドにはこのような作用はなかった。またα2β1インテグリンの抗体やcytochalasinDの添加によりゲル収縮は完全に抑制された。ゲル収縮を惹起することが知られているPDGFやTGF-βの抗体は影響を与えなかった。さらにシグナル伝達関連物質のpertussis toxin、staurosporine、H7はゲル収縮を抑制し、genistein、tyrphostin A47は影響を与えなかった。以上の結果からSPCはGi protein coupled receptorとprotein kinaseを介して作用することが判明した。
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