2000 Fiscal Year Annual Research Report
放射線分割照射中の正常組織と癌で観察される増殖促進効果を克服するための研究
Project/Area Number |
11670858
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Research Institution | HIROSAKI UNIVERSITY |
Principal Investigator |
阿部 由直 弘前大学, 医学部, 教授 (10167950)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
阿保 満 弘前大学, 医学部・附属病院, 助手 (30322952)
青木 昌彦 弘前大学, 医学部・附属病院, 助手 (70292141)
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Keywords | 放射線治療 / 分割照射 / 増殖促進効果 / 炭素線照射 / 高LET放射線治療 / 小腸腺窩 / 再増殖 / accelerated proliferation |
Research Abstract |
放射線治療において、治療効果を妨げる一因として分割照射中の再増殖(増殖促進効果)がある。これまでにマウス小腸腺窩を用いて増殖促進効果の機構を明らかにしてきた。要約すると以下の通りである。マウス小腸腺窩では分割照射中に再増殖が生じ、一日投与線量に再増殖の程度は依存した。増殖の因子であるポテンシアル倍加時間Tpotの短縮と細胞喪失因子である腺窩から絨毛への移行の遅延が観察され、二つの機構が関係していることを明らかにした。また増殖の因子では1日投与線量に差はなかったが、細胞喪失の因子では一日2回照射の遅延が明らかだった。このように再増殖機構についてTpotと細胞喪失因子の役割、および一日照射線量の関係について明らかにした。 本研究は、これらの再増殖が高LETである重粒子イオンビームにより抑制されるのかどうかについて検討したものである。放射線医学総合研究所の共同研究の一環として行った。炭素線(70keV/μm)の拡大ブラッグピークを用いた。エンドポイントはコロニー法とした。小腸腺窩コロニーのRBE(相対的生物効果比)を得たのち、分割照射にトップアップ線量を加え、光子線であるX線のデータと比較評価した。実験は(1)大線量1回照射(2)均等2分割照射(3)小分割1日+トップアップ線量1回(4)小分割2日+トップアップ線量1回(5)小分割3日+トップアップ線量1回であった。 この結果、重粒子線の分割照射により小腸腺窩の生存率は、光子線からの予測よりも感受性の側にあることがしめされた。原因としては修復不全あるいは増殖の抑制が示唆される。これに対して、均等2分割照射の実験を行い、時間間隔内に修復はほぼ完全に完成していることが明らかにし、炭素線の分割照射により増殖反応が抑制されることを示した。 その他にヒト腫瘍での増殖に関与する因子等について検討した。
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Research Products
(2 results)