1999 Fiscal Year Annual Research Report
下肢閉塞性動脈硬化症における血流予備能の研究-MRI及びCTを用いた血流予備能の定量的解析法の開発-
Project/Area Number |
11670860
|
Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
斎藤 陽子 弘前大学, 医学部・付属病院, 講師 (80225739)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
阿部 由直 弘前大学, 医学部, 教授 (10167950)
野田 浩 弘前大学, 医学部, 助手 (00292152)
淀野 啓 弘前大学, 医学部・付属病院, 助教授 (30113848)
|
Keywords | 閉塞性動脈硬化症 / 流速測定 / 血流予備能 |
Research Abstract |
本年度は主に血管ファントムを用いた実験を施行した。 まず、ガラス管で作成した種々の狭窄をもつ血管ファントムを作成し、そのファントムに造影剤の希釈液をポンプで流し、MRAの撮像並びにPhase contrast法によるcine MRIで流速測定を行った。希釈濃度は溶液のT1値が血液とほぼ同等となる2000倍とし、速度を変化させて流速測定の精度を検討した。ガラス管ファントムは、内径10mmで、狭窄率50%,75%としそれぞれ狭窄長が短・長の2種類、計5つのタイプのファントムを用いた。流速は5〜10cm/sec.と変化させ、Phase contrast法での流速測定の精度を検討した。 撮像方法の検討では、Phase contrast法においては信号が最大となる流速(Vmax)を設定する必要があるが、Vmax=5,10,40cm/sec.と変化させたところ,Vmax=5,10cm/sec.では、測定値に大きなばらつきがあり、不適切であることが分かった。Vmax=40cm/sec.では、実測値と良い相関を示し、測定方法として適していることがわかった。狭窄部では、狭窄率約50%の狭窄モデルでは狭窄部はMRAでも良好に描出され、流速測定も可能であったが、狭窄率75%以上では狭窄部の乱流が強く信号低下が著しく、流速測定も困難であった。以上より、臨床例での流速測定は、血管径5mm以上の血管で行うのが望ましいと考えられた。 腸骨動脈狭窄の5例で大腿動脈の流速測定を行ったが、今回の症例では特に左右差は認められなかった。 来年度新たなMRI装置が導入されることになり、時間分解能・コントラスト分解能が向上した最新の撮像方法も使用できることになったので、新たな装置を用いて新年度からはボランティア並びに臨床例での研究を中心に行う予定である。
|
Research Products
(2 results)