1999 Fiscal Year Annual Research Report
拡散強調画像三次元不等方性コントラストによる脳腫瘍進展範囲の描出
Project/Area Number |
11670862
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
高橋 昭喜 東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (80148874)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
隈部 俊宏 東北大学, 医学部・附属病院, 助手 (10250747)
日向野 修一 東北大学, 医学部・附属病院, 助手 (20173148)
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Keywords | 磁気共鳴画像 / 脳 / 神経繊維 / 拡散強調像 / 拡散テンソル |
Research Abstract |
拡散強調像を用いた神経線維の三次元カラー表示および拡散テンソルの測定を健常人ボランティアにて行った. 三次元カラー表示のための拡散強調像はエコープランナー(EPI)法にてmotion probinggradient(MPG;b=1000)を3軸方向に印可し撮像した.得られた3軸方向の画像のグレースケールを赤,緑,青の三原色のカラーに置き換えて加算し,神経線維の方向をカラー表示した画像を作成した.拡散テンソルはEPI法にてMPGを6軸方向に印可して,横断像と冠状断にて測定した.このデータから拡散トレース,拡散固有値および拡散の不等方性の指標であるfractional anisotropy(FA)を計算した.拡散トレースはb値を250,500,1000と変化させて計測した. 三次元カラー表示では良好な画像を作成できた.頭尾方向に走行する錐体路や前後方向に走行する視放線などの神経線維が明瞭に描出された.しかし,脳幹部などでは副鼻腔の空気による磁化率アーチファクトのため画像が歪み評価困難な例が多かった. 6軸方向の画像から求めた拡散固有値およびFA値では,左右の対称部位で測定した値,および横断像,冠状断像で同一部位に設定した関心領域にて測定した値は良好に一致し,被検者の頭部の歪みや傾きなどに影響されないことが証明された.また,これらの測定値は過去の文献値ともよく一致していた.一方,3軸方向のみのMPGで得られたデータから計算されたFAに相当する指標では,左右の対称部位,横断・軸位断上での同一部位での測定値は有意に異なり信頼性が低かった.拡散トレースはb値が小さいほど過大評価する傾向があり,少なくとも500以上のb値を用いるべきと思われた. 三次元カラー表示は神経線維の走向の定性的評価に有用と思われた.定量的評価には3軸方向のMPG印加では信頼性が低く,テンソルの測定が必要と思われた.
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