2000 Fiscal Year Annual Research Report
パーキンソン病における淡蒼球凝固術後の黒質の形態変化の解明
Project/Area Number |
11670865
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Research Institution | YAMAGATA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
安達 真人 山形大学, 医学部, 講師 (80212520)
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Keywords | パーキンソン病 / 淡蒼球凝固術 / 黒質 / MBI / 拡散強調像 |
Research Abstract |
研究目的:本研究の目的は、重症Parkinson病における後腹側淡蒼球凝固術後の中脳の形態変化を明らかにし、さらに拡散強調像(multishot diffusion-weighted imaging)を用いて黒質の変化を評価することである。 対象・方法:対象;一側の後腹側淡蒼球凝固術が施行され、術後MRIにて長期観察がなされたパーキンソン病患者17例(男性7例、女性10例)。得られたMRIの内訳は術前が11例、術後1年以内(平均4.8ヶ月)が12例、術後1〜2年(平均18.8ヶ月)が4例、術後2年以上(平均40.6ヶ月)が9例。T2強調像に着目し、大脳脚の内側縁の中点における大脳脚の幅を計測し、非術側に対する術側の中脳幅の比を経時的に観察した。次に、multishot diffusion-weighted imaging(拡散強調横)を用いて術後1年以上経過観察できた10症例の内6症例で中脳黒質の形態変化を観察した。 研究結果:1.術前の非術側に対する術側の中脳幅の比は1.03±0.06。術後1年以内では0.98±0.07、1〜2年では0.94±0.02、術後2年以上では0.90±0.05。術前と比較して、術後1年未満では有意差はなかったが、1-2年、2年以上で有意差が見られ、慢性期における術側中脳の萎縮が確認された。 2.拡散強調像が施行された6症例全てで術側の黒質に形態変化が見られ、特に黒質の後外側部に萎縮が認められた。この黒質の萎縮は術側大脳脚の萎縮に強く関わっていると推測された。 考察・結語:後腹側淡蒼球凝固術後の慢性期における脳の変化を明らかに報告は、本研究が最初である。本手術の脳に与える二次的な影響を明らかにすることは、臨床のみならず解剖学的見地からも重要な情報である。今後、この術後性変化と治療効果の関連について詳細な検討がなされるべきであると考えられる。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Adachi M, et al: "Evaluation of the substantia nigra in patients with parkinsonian syndrome accomplished using multishot diffusion-weighted MR imaging"AJNR Am J Neuroradiol. 20. 1500-1505 (1999)
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[Publications] Adachi M, et al: "Diffusion-weighted and T2-weighted magnetic resonance images of the transverse pontine fibers in spioncerebellar degeneration"Neuroradiology. 42. 803-809 (2000)