2000 Fiscal Year Annual Research Report
アルツハイマー病の客観的診断を目的としたトランスポーターマッピング剤の開発
Project/Area Number |
11670878
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
柴 和弘 金沢大学, アイソトープ総合センター, 助教授 (40143929)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森 厚文 金沢大学, アイソトープ総合センター, 教授 (90019604)
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Keywords | アセチルコリントランスポーター / ヨードベサミコール / アルツハイマー病 / 放射性薬剤 |
Research Abstract |
我々はアルツハイマー病を含む痴呆を核医学的手法を用いて客観的に診断することを目的として、アセチルコリントランスポーター(VAChT)イメージング剤の開発研究を行っている。昨年度までに、我々は以前に開発したして(-)-m-iodovesamicol((-)-mIV)に替わる新しい(-)-o-iodovesamicol((-)-oIV)のアセチルコリントランスポーター(VAChT)イメージング剤としての可能性をin vitro的に検討してきた。今回、我々はさらに、基本化合物であるvesamicolが結合するとされるσレセブターに対する親和性についても検討した。その結果、σ-1レセブターに対する(-)-oIVのIC50値はvesamicolと同じく、(-)-mIVより10倍以上高値を示し、σ-1レセブターに対する結合性が(-)-mIVに比べてかなり低いことがわかった。同様に、σ-2レセブターに対する親和性も(-)-oIVは(-)-mIVより8倍以上親和性が低いことがわかった。次に、(-)-oIVの放射性ヨウ素標識化を検討した。標識法は硫酸アンモニウムを触媒とする交換反応により行った。その結果、放射化学的収率:49-75%、比放射能:580-1174GBq/mmol、放射化学的純度95%以上で標識できた。さらに、ラットを使った体内分布およびオートラジオグラフィ実験の結果、放射性ヨウ素標識(-)-oIVはvesamicolと同様の脳内分布・挙動を示すことが確認された。以上のことから、放射性ヨウ素標識(-)-oIVはin vitroだけでなくin vivo的にもvesamicolと同様にVAChTに特異的に結合し、優れたアセチルコリントランスポーター(VAChT)イメージング剤に成りうる可能性が示された。今後、学習障害モデルラットを用いた放射性ヨウ素標識(-)-oIVの痴呆診断薬としての可能性を検討していく予定である
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