1999 Fiscal Year Annual Research Report
3次元生体情報に基づく大動脈瘤実体モデルを用いた低侵襲的治療法の開発研究
Project/Area Number |
11670879
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
石口 恒男 名古屋大学, 医学部, 助教授 (70115525)
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Keywords | 大動脈瘤 / 低侵襲的治療 / 生体モデル / 3次元画像 / CT |
Research Abstract |
目的:近年、大動脈瘤に対する低侵襲的な治療法として、人工血管材料で被覆したステント(ステントグラフト)を経皮的に動脈瘤内に留置する方法が試みられている。本治療に際しては、詳細な画像診断によって動脈瘤の形状を計測し、本治療の適否、使用器具の形状などを決定する必要がある。現在、血管内超音波により動脈壁の構造と動きを詳細に評価することが可能となり、また、極細経の圧測定センサーにより、血管内圧を高精度で計測することが可能となった。本研究はこられの生体情報を総合し、個別の形状とコンプライアンス特性を備えた大動脈瘤モデルを作成し、低侵襲的治療のシミュレーションを行って最適な治療法、治療器具を開発しようとするものである。 方法:1.胸部、腹部大動脈瘤のヘリカルCT、MRアンギオグラフィを施行し、大動脈瘤の3次元立体画像を得た。血管内超音波により、動脈瘤の各部位における壁運動を記録すると共に、ガイドワイヤーに組込まれた圧力センサーと動静脈圧測定用モニター装置を用いて圧測定を行い、大動脈および動脈瘤の壁のコンプライアンスを評価した。2.得られて3次元データをもとに、光硬化樹脂を材料としたレーザー造型術により実物大の動脈瘤モデルを作成した。シリコン、ラテックスなどの弾性材料を選択し、種々のコンプライアンスを持つ中空の動脈瘤モデルを製作した。3.動脈瘤モデルを脈圧回路に接続し、モデルの壁運動と内圧を測定した。 結果:ステントグラフトの留置によって動脈瘤モデルの内圧および脈圧の低下が認められ、臨床例においても破裂の予防、瘤の縮小が得られるものと考えられた。また、圧の変化には、動脈瘤のコンプライアンスが関係していることが確認された。
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Research Products
(1 results)