1999 Fiscal Year Annual Research Report
核医学検査原理を応用したMRによる非侵襲的肺機能イメージの開発
Project/Area Number |
11670891
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
菅 一能 山口大学, 医学部・附属病院, 助教授 (90171115)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松永 尚文 山口大学, 医学部, 教授 (40157334)
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Keywords | 核磁気共鳴画像 / 肺換気 / 肺血流 / 肺機能 |
Research Abstract |
平成11年度は、基礎実験として、最初にビーグル犬3頭と家兎2頭を用い、ガドリニウム(Gd)-DTPA標識大凝集人血清アルブミン(MAA)(粒子径10-100μm)静注による肺血流MRイメージを検討した。その結果、肺野の信号強度の増加率が平均60%の肺血流イメージが得られたが、比較的大量の投与量(40ml)が必要であった。さらに少量の投与量でより鮮明な肺血流イメージを得るため、ハイマンナン-リポゾームとガドリニウム(Gd)-DTPAの結合化合物(粒子径100μm)を新しく生成した。本製剤をビーグル犬3頭で検討すると15-20mlの少量投与で、良好な肺血流イメージが得られた。本製剤の肺洗い出し半減時間が約25分であり、静注後1時間まで良好な肺イメージが撮像可能であった。さらに、ビーグル犬4頭で肺塞栓症モデルを作成し、本製剤により肺血流イメージを撮像すると、いずれの動物でも肺血流欠損域が造影欠損領域として良好に描出された。本研究成果は、平成12年6月に開催される国際磁気共鳴学会で発表予定である。 また、本実験と平行して、ガドリニウム(Gd)-DTPAの急速静注による肺血流イメージもビーグル犬12頭により検討した。本法では、上記の方法とは異なり、1肺断面における肺血流イメージしか得られないが、血流量、平均通過時間や血液量などの血流パラメータの機能画像表示が可能で有用性は高いと考えられた。この研究成果は、平成11年の国際磁気共鳴学会に発表し、現在は論文の作成中である。 現在は、超音波ネブライザー装置でエロゾル化した食塩水および(Gd)-DTPAを用いた肺換気MRイメージの撮像法の開発をビーグル犬を用いて検討中である。
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[Publications] Ogasawara N: "Dynamic MR perfusion imaging to assess altered hemodynamics in lung parenchymal disease."Proceeding of the International Society for Magnetic Resonance in Medicine. 7・6. 1881-1881 (1999)
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[Publications] 菅 一能: "MRによる非侵襲的肺換気・血流イメージの開発"平成10年度(第1回)ニュー・フロンティア・プロジェクト報告集. 1・1. 16-24 (1999)