1999 Fiscal Year Annual Research Report
MR肺動脈流速測定肺血流潅流量測定による放射線肺臓炎の発症予測の確立
Project/Area Number |
11670893
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
村山 貞之 琉球大学, 医学部, 教授 (60239548)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 和正 九州大学, 医学部, 助手 (20284507)
坂井 修二 九州大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (90225756)
小川 和彦 琉球大学, 医学部, 助手 (40253984)
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Keywords | 肺癌 / 放射線治療 / 放射線肺臓炎 / MRA / cine MRA / 肺動脈流速 / KL-6 |
Research Abstract |
根治的放射線照射治療を行う原発性肺癌患者15例に対してのべ39回のphase contrast法cineMRAによる肺動脈流速、流量測定を行った。内、1例は照射開始直後に死亡したため、検討から除外した。grade2以上の放射線肺臓炎を起こした症例が2例、grade 1が3例であった。指標とした値は、左右肺動脈の最高流速、最高流速までの時間、平均流量を用い、その経時的変化を観察した。放射線肺臓炎症例5例中4例で最高流速までの時間の短縮が生じ、肺高血圧を反映している可能性が示唆されたが、9例のgrade 0の患者の2例にも同様の変化を認めた。最高流速、平均流量は有意な変化は捉えられなかったが、肺癌が肺動脈浸潤を起こしている時、顕著にこれらが低下するという結果を得た。造影剤静注による肺血流潅流量測定は、有意な結果は得られなかった。血清学的検索は、高分子量糖蛋白の1種であり、最近各種間質性肺炎やび漫性細気管支炎で上昇するとされているKL-6を検討した。放射線照射治療を行う原発性肺癌患者22例に対して測定し、変化を観察した。Acute lung toxcityに関してはgrade以下:19例、grade2:2例、grade3:2例、grade4:1例であった。放射線治療中20-30 Gy時、40-50 Gy時および60-70 Gy時、いずれの時点においてもgrade2以上のtoxcityを示した群5例は、grade1以下の群と比較して有意に血清KL-6値が高い傾向にあった。なお、cine MRAも同時に行った症例は、6例であった。来年度は症例を積み重ね、上記検査法の有用性をさらに検討する。
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