2001 Fiscal Year Annual Research Report
MR肺動脈流速測定、肺血流潅流量測定による放射線肺臓炎の発症予測の確立
Project/Area Number |
11670893
|
Research Institution | UNIVERSITY OF THE RYUKYUS |
Principal Investigator |
村山 貞之 琉球大学, 医学部, 教授 (60239548)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 和正 九州大学, 医学部, 助手 (20284507)
坂井 修二 九州大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (90225756)
小川 和彦 琉球大学, 医学部, 助手 (40253984)
|
Keywords | 肺癌 / 放射線治療 / 放射線肺臓炎 / MRA / cine MRA / 肺動脈流速 / KL-6 |
Research Abstract |
過去二年間はMR機器に付属しているワークステーションにより、描かれた肺動脈時間流速曲線より自動的に求められる最大流速や平均流量を中心に検討してきたが、種々の検討から、検討方法を以下の方法に変更した。 平成11年度からの3年間の研究期間に放射線治療を施行し、cineMRAによる肺動脈時間流速曲線を作成した原発性肺癌20例、原発性食道癌20例について詳細な検討を行った。原発性肺癌のうち、grade2以上の放射線肺臓炎を起こした症例は3例、食道癌では4例であった。放射線肺臓炎を引き起こす症例は、元来肺線維症などの要素のため肺血管抵抗が高い状態であることを仮定して、以下の検討を行った。総計40例について治療開始前に施行したcine MRAによる左右肺動脈時間流速曲線をデジタイザーを用いて解析し、流速加速開始からピークまでの面積(ピーク領域面積)、ピーク速度、流速加速開始からピークに達するまでの時間(ピーク時間)、流速加速期最大加速度、ピークまでの半値幅、最大加速度/ピーク領域面積を計測した。これらの値について放射線肺臓炎群と非放射線肺臓炎群を比較した。なお、肺癌症例では肺臓炎を起こした偏側肺を、食道癌症例では肺臓炎を起こした両側肺を放射線肺臓炎群とした。検定には等分散t-testを用いた。 結果はピーク時間にP<0.05の有意差を認めた。ピークまでの時間が短くなるのは肺血管抵抗の亢進を示しており、種々の原因でもともと肺高血圧を示している肺に放射線肺臓炎が生じやすいことが判明した。
|