1999 Fiscal Year Annual Research Report
ラジカル除去剤による放射線誘発小腸障害の防護作用に関する基礎的、臨床的研究
Project/Area Number |
11670895
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
国武 直信 九州大学, 医学部, 助手 (60294948)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 和正 九州大学, 医学部, 助手 (20284507)
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Keywords | 放射線障害 / ラジカル除去剤 / レバミピド / 放射線腸炎 |
Research Abstract |
レバミピドは既に胃炎・胃潰瘍治療剤として使用されている薬剤であるが、放射線障害発生に強く関係するヒドロキシルラジカルの除去作用を持つことが知られている。そこで、腹部放射線照射に伴う下痢に対するレバミピドの効果について検討した。 症例の内訳は、子宮頸癌術後9例、子宮体癌3例、その他2例、計14例(全例女性、年齢26-76歳、平均52.3歳)で、全例に、Linac 6MVX線にて、前後対向二門、一回1.8Gy、計41.4Gyの全骨盤照射をおこなった。試験方法は封筒法による二群比較試験とし、A群とB群に無作為に振り分けた。A群は、レバミピド(商品名ムコスタ、大塚製薬)を1日300mgで毎食後3回にわけて照射中連日投与をおこなった。B群は非投与群とした。下痢の程度判定は、National Cancer Instituteの副作用判定基準により判定した。A群6例、B群8例のうち、各々Grade0;3例、1例、Grade1;0例、1例、Grade2;2例、3例、Grade3;1例、2例、Grade4;0例、1例であった。両群に有意差はなかったものの、A群に下痢が軽い傾向にあった。また、直腸出血などの重篤な副作用を来したものは無かった。今後さらに症例を重ねていく予定である。 また、現在マウスの腹部にX線による放射線照射をおこなった場合のレバミピドの防護効果を検査中であり、マウスの小腸粘膜の病理学的変化、下痢等の腹部症状に対する防護効果などについて明らかにしていく。
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