2001 Fiscal Year Annual Research Report
MRIによる生体血管透過性マッピング:各種組織の特徴と治療先行指標としての有用性
Project/Area Number |
11670896
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Research Institution | KYUSHU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
吉満 研吾 九州大学, 医学部・附属病院, 助手 (20274467)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
入江 裕之 九州大学, 医学部・附属病院, 助手 (50284493)
本田 浩 九州大学, 大学院・医学研究院, 助教授 (90145433)
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Keywords | MRI / 血管透過性 / dynamic study / 腫瘍診断 |
Research Abstract |
1.我々は、一昨年までに開発した、周波数特異性脂肪飽和パルス付加dual echo gradient-echo pulse sequenceを数名の患者に臨床応用した。使用した造影剤はGd-DTPA 0.1mmol/kg(保険適応量)である。Parameterは昨年までに決定したシングルスライス法TR/TE1 & TE2/FA=〜27/2.3 & 20/45、撮像matrix 256x64を用いて息止め下のdynamic studyを行い、適切なdouble echo画像が得られ時間分解能を3-4secとした。この方法では約2分間連続して撮像するため、息止めの必要な上腹部の検査は不可能となり、基本的に呼吸性移動のない骨盤、軟部組織、脳などが対象として限定される結果となった。今回は我々は、本施設において病理組織診断の得られやすい骨盤臓器を対象とした。 2.このシングルスライス法により得られたdouble echo画像を計算・解析して、pure T1,pure T2*画像を作成するsoftを開発した。その際、造影前のT1値画像を得ることが必須であることが判明したため、そのための簡便なsoftも開発した。 3.このpure T1,pure T2*画像の経時的変化の一致または不一致のパターンが、種々の疾患の新生血管量と血管透過性を表していると考えられるが、これら二つの指標を計算しうる適切なモデルが存在しないため、今回は定量的評価は行わず、組み合わせパターンによる定性的評価にとどめた。これまで、子宮筋腫24例、子宮頚癌5例、子宮大癌4例、卵巣癌4例、子宮腺筋症3例、前立腺癌3例について検査施行した。pure T1,pure T2*画像を計算し、それぞれをI〜VI(I plateau、II peak, III peak & Plateau, IV漸増、V flat, VI分類不能)までの6つのパターンに分類した。両者の組み合わせパターンにより各病変及び正常組織を評価した。正常子宮体部、膣尿道部、筋腫ではpure T1画像でPlateau型、pure T2*画像でflat型が多い傾向にあった。骨髄はpure T1画像、pure T2*画像ともにPlateau型を呈した。腺筋症、腫瘍の一部のpure T2*画像でpeak型、peak & Plateau型が見られた。 4.pure T2*画像でのpeakは新生血管を、pure T1画像でのその後の増強は血管透過性にほぼ相当するものと考えられた。本法により1回の造影でpure T1,pure T2*画像の解析が可能となり病態解析の新たな指標となる可能性が示された。今後、定量的評価のため適切なモデルとsoftの開発が課題である。なお本研究の一部は第60回日本医学放射線学会学術発表会(H13.4月、神戸)にて発表した。
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