1999 Fiscal Year Annual Research Report
染色体高次構造維持遺伝子(Crm1,Rad51)操作による放射線感受性の制御
Project/Area Number |
11670897
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
佐々木 弘 九州大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (10037369)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉村 康秀 九州大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (60263307)
藏 忍 九州大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (90037391)
續 輝久 九州大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (40155429)
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Keywords | PLD / Crm1 / スナネズミ / レプトマイシンB |
Research Abstract |
スナネズミ(Mongorian gerbil)は放射線抵抗性の哺乳動物として知られているが(LD_<50>=約11Gy)、その抵抗性の機序は不明であった。しかし、我々はスナネズミ胎児由来の細胞株を確立し、放射線抵抗性を調べたところ、X線照射に伴う潜在致死損傷(Potentially Lethal Damage:PLD)に対して劇的な阻害作用を示すレプトマイシンB(LMB)の作用に対して抵抗性であることがわかった。最近の研究でCrm1は、染色体高次構造の維持や核外輸送に関与していることが明かとなってきた。我々はLMB1のターゲットであることが判明しているCrm1を、染色体高次構造の乱れを修復することによる放射線抵抗性のキーファクターであると考え、さらなる解析のため遺伝子をクローニングすることにした。 すでにクローニングされている、S.cerevisiae,S.pombe,Human,のCrm1遺伝子のDNA配列を比較することにより、生物種を超えて保存されている領域(430-590a.a)を見い出し、そのアミノ酸配列をもとにしてdegenerate primerを作製した。スナネズミの各臓器からmRNAを抽出し、作製したプライマーを用いてRT-PCRによって、精巣や肝臓などから目的の大きさのバンドを得た。現在シークエンスを行い、それが目的の産物であることを確認する作業を急いでいるところである。
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