1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11670901
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Research Institution | 大分医科大学 |
Principal Investigator |
前田 徹 大分医科大学, 医学部, 助教授 (00157140)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀 雄三 大分医科大学, 医学部, 助手 (70295187)
山田 康成 大分医科大学, 医学部, 助手 (60244183)
松本 俊郎 大分医科大学, 医学部, 助教授 (80219500)
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Keywords | 膵癌 / helical CT / 動注療法 / 血管造影 / 化学療法 |
Research Abstract |
膵癌の多くは浸潤性膵管癌であり,容易に周囲の後腹膜組織に浸潤し肝,骨,肺などへの血行性転移やリンパ行性転移,癌性腹膜炎なども起こしやすい.多くの疾患で治療法が進歩した現在においても根治切除が困難で依然として予後不良な悪性腫瘍である.本研究では手術適応外の進行膵癌に対し,予後の改善を目標として血管造影下に制ガン剤注入(以下,動注)を行うものであり,今年度は5例に対して動注を行った.方法:(1)責任血管の同定;膵周囲動脈(例;背膵動脈,前上膵十二指腸動脈など)へ超選択的にカテーテルを挿入し,血管造影(DSA)を行うと共にヘリカルCTを撮像し,腫瘍に関与している血管を評価する.(2)制ガン剤の動注;制ガン剤はEpirubicin 50mg,Mitomycin 20mg,5-FU 500mgに水溶性造影剤10mlを加えたものを15分程度で注入した.(3)全身化学療法;動注と平行して経静脈性の化学療法を行った.中心静脈カテーテルより5-FU(500mg/body)の24時間連続投与,CDDP:5mg/body(側管より1時間で点滴投与,週5日)をそれぞれ4週間行った(2例のみ).評価;動注直後にヘリカルCT撮影を行い,腸瘍内への薬剤分布の評価を行った.また2週間後にヘリカルCTを行い,腫瘍の縮小効果の評価を行った.結果:超選択的カテーテル挿入下の造影CTでは,腫瘍内部に強い造影剤の貯留が認められ,制ガン剤の分布は良好であった.全例に2週間後のCTで腫瘍の縮小あるいは腫瘍壊死による吸収値の低下を認め,臨床上有用と考えられた.いずれも進行膵癌で,多発性肝転移を伴う例もあり,予後の判定には症例数と経過観察期間がまだ十分ではないが次年度以降,症例を重ねて検討を加える.
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