1999 Fiscal Year Annual Research Report
Thin sectional helical CTによる胆管癌の局所進展の評価
Project/Area Number |
11670902
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Research Institution | 大分医科大学 |
Principal Investigator |
堀 雄三 大分医科大学, 医学部, 助手 (70295187)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森 宣 大分医科大学, 医学部, 教授 (20128226)
松本 俊郎 大分医科大学, 医学部, 助教授 (80219500)
山田 康成 大分医科大学, 医学部, 助手 (60244183)
三宅 秀敏 大分医科大学, 医学部, 教授 (20136675)
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Keywords | 胆管癌 / helical CT |
Research Abstract |
胆管癌の局所浸潤(脈管浸潤,膵浸潤,神経叢浸潤)を造影剤急速静注後のthin sectional helical CTにより評価し,手術所見および摘出標本の病理組織像との対比検討を行った. 本年度は下部胆管癌の術前患者20例(男性15例,女性5例)に対して施行した.全例tubular adenocarcinomaの組織診断が得られており,腫瘍最大径は1.1cmから5.0cmであった.CTはスライス厚5mm,テーブル移動速度5mm/秒に設定し,造影剤を3.0ml/秒の速度で急速静注した後に,40秒(動脈優位相),70秒(門脈優位相),150秒(遅延相)のタイミングで撮像した.また画像再構成間隔は2.5mmとした.結果として20例中19例(95%)で腫瘍の同定が可能であった.周囲膵実質と比較した場合,19例とも動脈優位相では低吸収域を示した.大部分の病変は造影後の遅延相で高吸収域を示し,線維化の存在や腫瘍の分化度を反映するものと思われた. 脈管浸潤に関しては,腫瘍と脈管との連続性もしくはその接する範囲により評価を行い,sensitivity100%,specificity98%の診断が得られた.胆管腫瘤と膵実質との境界が不明瞭な症例では全例で膵浸潤が認められ,とりわけ主膵管の拡張や膵実質内に腫瘤形成を伴う場合には,5mm以上に深達する膵浸潤が存在した. 一方,膵鈎部と上腸間膜動脈や下膵十二指腸動脈との間に索状構造や腫瘤形成が見られた場合,7例中7例(100%)で膵外神経叢第2部への浸潤が,また7例中4例(57%)で小腸間膜への浸潤が確認された.同所見は随伴性膵炎でも見られ,偽陽性の主要因であった.現段階でthin sectional helical CTは胆管癌の局所浸潤の評価に有用であると思われる。
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