1999 Fiscal Year Annual Research Report
放射線抵抗性腫瘍の放射線感受性増強を目的としたp53遺伝子治療の基礎的研究
Project/Area Number |
11670910
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Research Institution | Saitama Medical University |
Principal Investigator |
高橋 健夫 埼玉医科大学, 医学部, 講師 (70241883)
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Keywords | NMT-1 / NMT-1R / apoptosis / p53 / p21 / bax / radiosensitivity |
Research Abstract |
細胞死の研究が進歩しアポトーシスが重要な役割を占めることが明らかになり、疾患の特性のみならずその治療にも関与していると考えられる。さらにアポトーシスと癌遺伝子p53との関連が明らかになりつつある。われわれはラット卵黄嚢腫瘍から得た放射線感受性細胞のNMT-1と同細胞由来の放射線抵抗性細胞のNMT-1Rを用いて放射線感受性の機序とアポトーシスとの関連について研究してきた。NMT-1はNMT-1Rに比べ1.7倍(D0値比較で)の放射線感受性を有しており、10Gy照射後12〜24次間後にNMT-1でアポトーシスの出現が認められている(これに対しNMT-1Rではアポトーシスは照射後ほとんど認められない)。 次に照射後のp53、p21、baxの発現を検討した。放射線感受性細胞NMT-1ではp53とp21の発現が10Gy照射1時間後に増加しているのが確認された。さらにbaxの発現も増加した。これに対し放射線抵抗性細胞NMT-1Rではp53、p21、baxのいずれも照射後、発現の増加は認められなかった。PCR-SSCP法にて両細胞p53について解析した結果、放射線感受性細胞NMT-1では野生型p53を発現しているのに対して、放射線抵抗性細胞では変異型p53の発現が認められた。今年度はラット野生型p53をベクターに組み込むことが可能になりつつある。来年度はベクターに組み込んだラット野生型p53を用いて放射線抵抗性細胞NMT-1Rに導入し、放射線感受性の変化について検討し、同細胞由来NMT-1と遺伝子発現を含め比較検討する。
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[Publications] Matsumoto H, Takahashi T et al.: "Modification of Tumor-Associated Antigen (CEA) Expression of Human Lung Cancer cells by Irradiation, either Alare or in combination with Interferon-γ"Anticancer Research. 19. 307-312 (1999)
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[Publications] Maebayashi K, Mitsuhashi N, Takahashi T et al.: "p53 Mutation Decreased Radiosensitivity in Rat Yolk sac Tumor Cells Lines"Int. J. Radiation Oncology Biology・Physics. 44(3). 677-682 (1999)