1999 Fiscal Year Annual Research Report
衝動性・攻撃性とセロトニン関連遺伝子多型との相関研究
Project/Area Number |
11670935
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
坂戸 薫 新潟大学, 医学部・附属病院, 助手 (80251809)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
染矢 俊幸 新潟大学, 医学部, 教授 (50187902)
村竹 辰之 新潟大学, 医学部, 助手 (60311669)
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Keywords | 衝動性 / セロトニン / 遺伝子多型 / 相関研究 |
Research Abstract |
平成11年度は、衝動性を評価するために広く用いられている尺度、Barratt Impulsiveness Scale(BlS)の日本語版を作成し、その信頼性と妥当性を検討した。大学生155名及び勤労成人262名に、BlS日本語版を実施し、そこから得られたデータを分析した。再検査法による信頼性検討では、高い一致度が認められた。また、内的整合性による信頼性検討では、良好なクローンバックのα係数値が得られた。しかしBlSの下位尺度ごとに見た場合には、ばらつきが認められた。しかしこの結果は、BlS原板と同様のものであった。確証的因子分析による因子妥当性を検討した結果、BlSは尺度全休として見た場合には高い適合度を示した。以上、IS日本語版は、尺度全体として見た場合、原板と同様に高い信頼性と妥当性を持つ尺度であると判断された。しかし、下位尺度については、衝動性の下位分類自体に問題があることが示唆され、今後検討の余地があると考えられた。 BlS日本語版作成と同時に、本研究の主旨を説明した後同意が得られた企業職員に対し、BlSの実施と血液サンプルの採取を行った。現段階で約120名からデータが得られており、BlSの得点化作業と血液サンプルから核酸DNAを抽出を行っている最中である。 平成12年度は、健常者から得られたサンプルをもとに、いくつかのセロトニン関連遺伝子の遺伝子解析を行い、BlS得点との関連を検討する予定である。また患者からもデータを収集し、同様の分析を行う予定である。最終的には、健常者のサンプルと併せてセロトニン関連遺伝子多型とBlSとの関係を検討するつもりである。
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