1999 Fiscal Year Annual Research Report
海馬長期増強現象におけるニューロフィラメントのリン酸化の検討-アルツハイマー病における神経細胞機能異常との関連において-
Project/Area Number |
11670942
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
中村 祐 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (70291440)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 稔久 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (10294068)
工藤 喬 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (10273632)
武田 雅俊 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (00179649)
吉田 成孝 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス科, 助教授 (20230740)
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Keywords | 長期増強現象 / neurofilament / phoshorylation / CaMK / Rh0 |
Research Abstract |
本年度、我々はRho kinaseによるNF-Lのリン酸化部位であるSer-26を中央部含む10残基程度のNC端側にCys残基加えたリン酸化ペプチドより、Ser-26の部位のリン酸化を特異的に認識する抗体を作成した。リン酸化ペプチドをKLHに結合させ、家兎に免疫を行い各抗血清を得、各抗血清からlgG分画の調整を行った。また、先のリン酸化ペプチドを用いてアフィティカラムを作成し、これを用いて各lgG分画からリン酸化ペプチドに対する特異的な抗体を精製した。また、これらの抗体がRho kinaseによりリン酸化したNF-Lと特異的に反応するかを確かめるために、精製NF-L及びRho kinaseによりリン酸化したNF-Lに対してウエスタンブロットを行い、精製した抗体の特異性の確認を行った。 400ミクロンのマウス海馬切片をロータリースライサーに作製し、fEPSPをモニターするために外部電極を挿入し、灌流液化にて高頻度刺激を行い長期増強現象を生じた切片の作成を行った。この際に、コントロールとして、test pulseのみの切片、AP-5(NMDA受容体遮断剤)及びKN-62(CaMKII阻害剤)を加えた灌流液下にて高頻度刺激を行った切片も合わせて作成を行った。これらの切片よ凍結切片を作製し、先の方法で精製したリン酸化部位(Ser-26,-51,-55,-57)特異的な抗NF-L抗体を用いて、免疫組織化学的に検討し、長期増強現象に関与するリン酸化部位を検索したところ、Ser-57の部位のリン酸化を特異的に認識する抗体でのみ、繊維状の構造物が染色された。また、AP-5及びKN-62を用いた切片では、これらの染色性が失われることから、長期増強現象においてCaMKIIによるNF-Lのリン酸化が生じていることが示された。
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[Publications] Nakamura Y.,Hashimoto R.et al.: "Major phosphorylation site (Ser-55) of neurofilament L by cyclic AMP dependent protein kinase A in rat primary neuronal culture"J. Neurochem.. 74. 949-959 (2000)
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[Publications] Hashimoto R.,Nakamura Y.et al.: "Site-specific phosphorylation of neurofilament-L is mediated by calcium/calmodulin dependent protein kinase II in the apical dendrites during long-term potentiation,"J. Neurochem.. (印刷中).