1999 Fiscal Year Annual Research Report
経頭蓋的高頻度磁気刺激の安全性と作用機序に関する基礎的研究
Project/Area Number |
11670954
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
滝川 守国 鹿児島大学, 医学部, 教授 (70041423)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹ノ内 薫 鹿児島大学, 医学部, 助手 (60274817)
福迫 博 鹿児島大学, 医学部・附属病院, 講師 (60228880)
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Keywords | 磁気刺激 / 動物 / キンドリング現象 / 扁桃核 / 深部脳波 |
Research Abstract |
本年度は、高頻度磁気刺激(rTMS)によって脳が受ける影響を主として神経生理学的に検討した。何故なら、本法が精神科領域におけるうつ病などの電気ショック療法に代わる新しい臨床応用としての可能性をみることになるからである。 実験には成熟雄性家兎20羽を用いた。深部脳波および皮質脳波では、両側の扁桃核、大脳皮質運動野および視覚領野より誘導記録した。これに対して、高頻度磁気刺激(rTMS)の10Hzを最大誘導電圧の80%で磁気刺激コイル(8の字コイル)を前頭葉に接着して5秒間毎日刺激した。 本年度は電気刺激と対比してキンドリング形成(てんかん源性)をみた。その結果、深部の扁桃核を中心に異常波(スパイク)の出現がみられ、それが3ヶ月後経過しても残存した。けいれんなどの臨床発作は出現しないが、皮膚脳波より深部脳波にてんかん源性の波形の出現をみたことは世界で初めての現象である。 この結果は、1999年度に開かれた世界臨床神経生理学会(プラハ)および同年東京で開かれた第29回日本脳波筋電図学会で発表した。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 滝川守国: "高頻度磁気刺激の現状と安全性"脳と精神の医学. 10. 93-100 (1999)
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[Publications] 滝川守国: "磁気刺激による治療"最新精神医学. 4. 567-572 (1999)
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[Publications] Fukuzako H et al: "Effects of repetitive trancranial magnetic stimulation"J Neuropsychiatr Clin Neurosci. 9. 646-647 (1997)
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[Publications] Sakamoto Y,et al: "Does magnetic stimulation induce epileptogenesis in rabbit brain?"Epilepsia. 38. 63-64 (1997)