2000 Fiscal Year Annual Research Report
制限給餌後のラット反跳性過食状態における行動異常のビデオ解析と脳内ドパミン代謝
Project/Area Number |
11670961
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Research Institution | OSAKA CITY UNIVERSITY MEDICAL SCHOOL |
Principal Investigator |
切池 信夫 大阪市立大学, 医学部, 教授 (60094471)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 幸紀 大阪市立大学, 医学部, 講師 (50254397)
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Keywords | restricted feeding / rebound hyperphagia / video monitorinq system / rat / general behavior / eating behavior / animal model / eating disorders |
Research Abstract |
摂食障害は食行動異常に加え、過活動や衝動行為等の行動異常を呈することが多い。そこで、ラットを1日2時間の時間制限給餌を1週間繰り返した制限給餌群(SF-group)22時間の単回絶食群(DP-group)、及び対照群(C-group)に分け、自由摂餌時の摂餌行動を含めた全行動をビデオに撮影し、行動時間,行動距離,後ろ足で立ち上がり探索行動や不安を示すrearingを解析した。また、線条体背外側部におけるDAおよびその代謝産物DOPAC,HVAをmicrodialysis法にて測定した。摂餌開始前のSF-groupの行動時間・距離は他の2群に比し増加していた。摂餌行動はSF-,DP-,C-groupの順に強く認められ、摂餌条件が摂餌行動に反映していた。一方、摂餌開始後の行動時間、行動距離、rearingには差を認めなかった。このことからは単位時間あたりの摂餌量(meal size)が摂餌条件により変化したと考えられた。また、SF-groupで線条体ドパミン代謝の摂餌開始後の亢進を認めた。行動全般に変化がないことから、この線条体ドパミン代謝の亢進は摂餌行動に固有と考えられた。また、DP-groupとC-group間に摂餌量の差異が認められたが、線条体ドパミン代謝の差異は認められなかった。これは、線条体ドパミン代謝の亢進は摂餌行動固有であるが摂餌そのものではなく、制限給餌条件、たとえばストレス反応や条件付けなど、に深く関与していると考えられた。摂食障害患者での脳内ドパミン代謝やセロトニン代謝の異常にダイエットなど摂食条件の変化に加え、その過程で生じる心理的ストレスが関与している可能性が考えられた。
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