1999 Fiscal Year Annual Research Report
精神分裂病の発症脆弱性と形態学的異常における神経栄養因子の関与について
Project/Area Number |
11670966
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
功刀 浩 帝京大学, 医学部, 講師 (40234471)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
李 圭博 帝京大学, 医学部, 助手 (40307202)
南光 進一郎 帝京大学, 医学部, 教授 (60101127)
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Keywords | 精神分裂病 / 神経栄養因子 / 脳由来神経栄養因子 / 海馬 / 脳室拡大 / 分子遺伝学 |
Research Abstract |
本研究の第一の目的は、精神分裂病への発病脆弱性に対する神経栄養因子遺伝子変異の関与について探ることである。本年度は、神経栄養因子であるbrain derived neurotrophic factor(BDNF)の遺伝子変異をエクソン領域に関し、single strand conformational polymorphism(SSCP)によって探索し、ミスセンス変異を見出した。内部コントロールを用いて精神分裂病との関連研究を行い、ハプロタイプ相対危険率テスト法による解析で、統計学的に有意に近い関連がある結果を得ており、この変異が分裂病と関連する可能性を示唆する。そこで、ケース・コントロール研究による解析を進めている。なお、本年度は内部コントロールを用いた研究を行うためのサンプル(罹患者とその両親)の数を約10家族増やした。 第二の目的は、精神分裂病者における脳の形態学的異常(海馬体積の減少、脳室拡大)と神経栄養因子遺伝子変異との関連を探ることである。本年度は、1.5TのMRI装置で1.5mm間隔3次元イメージで撮影された分裂病患者の対象数を35例にまで増やした。また、比較に用いる他の診断の患者の画像は約80例収集した。画像解析ソフトMEASUREを用い、海馬体積と脳室体積とを順次測定している。さらに、血液サンプルを収集することが可能であった症例に関しては、ゲノムDNAを抽出し、上記のBDNF遺伝子変異に関し、遺伝子型を決定した。
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