1999 Fiscal Year Annual Research Report
コラーゲン受容体GPla/lla(α2β1)細胞内ドメインを介した血小板活性化の機序
Project/Area Number |
11670989
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Research Institution | 山梨医科大学 |
Principal Investigator |
尾崎 由基男 山梨医科大学, 医学部, 教授 (30134539)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 金夫 山梨医科大学, 医学部, 教務職員 (20242662)
矢冨 裕 山梨医科大学, 医学部, 助教授 (60200523)
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Keywords | 血小板活性化 / コラーゲン受容体 / GPla / lla / rhodocytin / チロシンキナーゼ / Src / Cas |
Research Abstract |
GPla/llaに結合すると思われる 蛇毒rhodocytinの特異性を確認するために、GPla/llaのレコンビナントを組み込んだリポソームを作成し、rhodocytinとの結合を確認した。また、rhodocytinを用いたアフィニティカラムを作成し、血小板膜糖蛋白との結合を見ることにより、GPla/llaとの結合を確認した。このようにrhodocytinがGPla/llaと反応することを確認した上で、GPla/llaによる血小板信号伝達系路の研究を始めた。これまでに、GPla細胞内ドメインにチロシンキナーゼであるSrcが結合しており、コラーゲンとGPla/llaの結合によりSrcの活性化が起きること、またSrcの活性化のためにはGPla/llaがクラスタリングを起こす必要があること、SrcとCasとよばれるアダプター蛋白が結合し、CasがSrcのチロシンキナーゼ活性により燐酸化されることを見いだした。GPlaからCasに至る信号伝達系路は、細胞内cAMPの増加によっても抑制されなかった。一方、これらの現象の下流に位置するSykのチロシンリン酸化、またそのまた下流の細胞内カルシウム動員を起こすphospholipase C-γ2の活性化は、細胞内cAMPの増加により著明に抑制された。GPla/llaはこのようにコラーゲン惹起血小板活性化の特徴をよく示しており、コラーゲン受容体の代表的なものの一つであることが確認された。さらにrhodocytinでなく、抗GPla抗体のF(ab')2部分を精製し、これをシャーレにコーティングしたものに血小板を張り付け、その活性化を判定することも行った。これによりGPla/llaがFAKを含むfocal adhesion complexの形成に至る信号を惹起することを確認した。
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