1999 Fiscal Year Annual Research Report
性差による競合的ヒト/マウス異種移植実験系を用いた人造血幹細胞の動態解析
Project/Area Number |
11670996
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
相馬 俊裕 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (40273619)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
立川 豊吏 大阪大学, 医学部・附属病院, 医員
岡 芳弘 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (20273691)
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Keywords | 造血幹細胞 / 異種移植 / 支持細胞 / 臍帯血 |
Research Abstract |
ヒト臍帯血由来造血幹細胞の性差を用いた競合的生着実験の結果極めて正確に造血幹細胞を定量できることが判明した。そこでこの方法を用いて臍帯血由来造血幹細胞の体外増幅の可能性を検討した結果、培養中に指示細胞が存在しない条件下では培養後ヒト造血幹細胞は無培養の幹細胞に対し競合的に生着させると明らかに生着能力が劣っていることが判明した。この生着障害がサイトカインの種類によるのかどうかを検討した結果、サイトカインの種類によらず、普遍的に見られることが判明した。マウスの実験モデルでは細胞周期と生着能力の関係が解析され、細胞回転に入っている細胞は生着能力が低下していることが判明した。この問題は造血幹細胞の体外増幅/培養の系にとって極めて重要であるため、培養前の細胞と競合的に生着しうる条件を検索する必要に迫られた。そこで発想を転換しサイトカインによる増幅期待に基礎をおいて培養条件を検索する以前にヒト造血幹細胞が体外で生着能力を維持できる条件の検索を行うこととした。マウス、ブタなどの異種支持細胞を用いた従来の支持細胞株細胞との共培養下での研究結果より生着能力の維持にヒト由来細胞が必須と考えられた。そこでヒトドナー由来の支持細胞を用いた共培養条件を種々検索した結果、従来の2次元的培養では幹細胞の自然減衰は避けられず、ヒト造血幹細胞の長期生存は困難と考えられた。現在ヒトドナー由来の支持細胞を用いた3次元的培養装置を検討中である。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Soma T.: "Establishment of quantitative human stem cell assay system using sex matched pooled CB and human-mouse xenograft"Blood. 92. 60a (1998)
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[Publications] Oka Y.: "Cancer immunotherapy targeting Wilms' tumor gene WT1 product"J. Immunology. 164. 1873-1880 (2000)