1999 Fiscal Year Annual Research Report
単球系前駆細胞からマクロファージ、破骨細胞、樹状細胞への分化機構の検討
Project/Area Number |
11670999
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
池田 和眞 岡山大学, 医学部・附属病院, 講師 (50176088)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹中 克斗 岡山大学, 医学部・附属病院, 助手 (30301295)
石丸 文彦 岡山大学, 医学部・附属病院, 助手 (50284097)
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Keywords | 単球 / マクロファージ / 破骨細胞 / IL-4 / IL-13 / M-CSF / osteoclast differentiation factor |
Research Abstract |
M-CSF存在下のストローマ細胞との共培養系で、ビタミンD3はストローマ細胞の破骨細胞分化因子(ODF)分泌を高めることによって、末梢血単核球の破骨細胞への分化を促進し、IL-4、IL-13はODFの分泌を低下させることによって破骨細胞への分化を抑制することが知られている。 我々の樹立した単球系白血病株細胞UG3及び正常ヒト末梢血由来の単球は、M-CSF存在下でIL-4、IL-13、ビタミンD3のいずれによっても多核巨細胞に分化誘導される。前2者によって誘導される多核細胞はストローマ上で培養を続けることにより破骨細胞に分化するのに対し、ビタミンD3によって分化誘導された多核細胞はストローマ上で培養を続けても破骨細胞とはならないことが明らかとなった。 このことは、ビタミンD3はストローマ細胞を介して間接的に前駆細胞の破骨細胞への分化を促進するが、前駆細胞の直接作用としては破骨細胞への分化に大きな意義を持たず、IL-4とIL-13は間接的には破骨細胞への分化に抑制的に働くが、直接効果としては、破骨細胞の方向へ部分的に分化させる作用があることを示唆している。 また、UG3の亜株として、M-CSFとODF存在下で維持可能な株細胞を樹立した。この亜株は、浮遊細胞と付着細胞が混在した状態で増殖し、浮遊細胞の経代によって維持可能であるが、付着細胞は破骨細胞の性格のひとつである酒石酸抵抗性酸フォスファターゼが陽性であるが、経代できない。この浮遊細胞と付着細胞を使って、cDNAアレイを用いて、破骨細胞分化に係わる遺伝子のクロー二ングを現在行っている。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Kaji Y, Ikeda K, Ikeda T 他: "IL-4, but not vitamin D3, induces monoblastic cell line UG3 to differentiate into multinucleated giant cells on osteoclast lineage"J Cell Physiol. 182(2). 214-221 (2000)
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[Publications] Mori M, Terui Y, Ikeda M 他: "β2-microglobulin identified as an apoptosis inducing factor and its characterization"Blood. 94(8). 2744-2753 (1999)
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[Publications] Maeda Y, Teshima T, Yamada M 他: "Monitoring of human herpesvirus after allogeneic peripheral blood stem cell transplantation and bone marrow transplantation"Br J Haematol. 105(1). 295-302 (1999)
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[Publications] Ikeda T, Ikeda K, Sasaki K 他: "The inv(11)(p15q22) chromosome translocation of therapy-related myelodysplasia with NUP98-DDX10 and DDX10-NUP98 fusion transcripts"Int J Hematol. 69(3). 160-164 (1999)
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[Publications] Ishimaru F, Dansako H, Nakase K 他: "Molecular characterization of total kininogen deficiency in Japanese patients"Int J Hematol. 69(2). 126-128 (1999)
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[Publications] Mahmut N, Katayama Y, Takenaka K 他: "Analysis of circulating hematopoietic progenitor cells after peripheral blood stem cell transplantation"Int J Hematol. 69(1). 42-36 (1999)