2000 Fiscal Year Annual Research Report
細胞内蛋白-蛋白相互作用による血小板GPIIb-IIIa複合体活性化機序の解明
Project/Area Number |
11671001
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
藤元 哲郎 広島大学, 医学部, 助教授 (00221549)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
下村 壮司 広島大学, 医学部, 助手 (20263741)
藤村 欣吾 広島大学, 医学部, 教授 (80034114)
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Keywords | 血小板 / GP IIb-IIIa複合体 / Affinity modulation / 細胞内ドメイン / 情報伝達 / Two hybrid system / MAPキナーゼ / インテグリン |
Research Abstract |
GPIIb-IIIa複合体の結合蛋白として、β_3-endonexinとそのalternative form、CD98およびIntegrin-Associated Protein(IAP)、についてGPIIb-IIIa複合体の活性化への影響を検討してきたが、さらに細胞内情報伝達経路の一つとしてRas-MAP kinase系の関与について詳細に検討した。トロンビンなどのアゴニスト刺激後の血小板では、MAPKは強くリン酸化され、これはGPIIb-IIIa複合体の活性化とそれに引き続くリガンド結合により抑制されるが、反対にアゴニスト刺激によらないGPIIb-IIIa複合体の活性化では、MAPKのリン酸化が促進されることが判明した。すなわちGPIIb-IIIa複合体活性化抗体やペプチドのみによって、outside-inシクナルの一つとしてRas-MAP kinase系に伝わる経路の存在を明らかにした。これらの経路にβ_3 endonexinは関与しないが、抗CD98抗体は血小板粘着の際にMAPKのリン酸化を促進し、またIAPへのthrombpspondinの結合はより強力なリン酸化を引き起こすなど、これらGPIIb-IIIa複合体の結合蛋白とRas-MAP kinase系との相互関係も明らかにした。さらに未知の分子を同定するために、引き続きYeast two hybrid systemを用いて巨核球系のライブラリーよりスクリーニングを行い、GPIIIaの細胞内ドメインをベイトにしていくつかのクローンを得、その解析を進めている。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Fujii,T. et al.: "A new approach to detect reticulated platelets stained with thiazole orange in thrombocytopenic patients."Thrombosis Research. 97. 431-440 (2000)
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[Publications] 坂井晃 ら: "IgG-κ型M蛋白血症を認めたMALTリンパ腫"臨床血液. 41. 658-663 (2000)
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[Publications] 藤村欣吾 ら: "Bernard-Soulier症候群"日本血栓止血学会誌. 11. 411-419 (2000)