1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11671003
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Research Institution | 佐賀医科大学 |
Principal Investigator |
福留 健司 佐賀医科大学, 医学部, 助手 (50284625)
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Keywords | プロテインC / レセプター / トロンボモジュリン / 血管内皮 / モノクローナル抗体 / 血液凝固 / 血栓 / 梗塞 |
Research Abstract |
プロテインCは主要な血液凝固制御因子の一つであり、セリンプロテアーゼ前駆体として血中を循環している。プロテインCは凝固因子であるトロンビンによって活性型の酵素に変換されてはじめて抗凝固因子として機能するようになる。トロンビン単体によるプロテインCの活性化反応は非効率的であり、生理的条件下での活性化反応には血管内皮細胞が要求される。この活性化反応に関与する内皮上の分子としてトロンボモジュリンが同定されていたが、この分子の機能によっても内皮細胞上での効率的な活性化反応は説明できなかった。我々はプロテインCに対する高親和性のレセプターが血管内皮上に存在することを見い出し、発現クローニングによってこの分子を同定した。更にトランスフェクタント細胞を用いた実験により、この分子がプロテインCの活性化を促進する活性を有することを示した。また、この分子の機能を阻止するモノクローナル抗体を作成し、この分子の機能が様々な血管の内皮細胞上でのプロテインC活性化に要求されることを示した。プロテインCの欠損症は動脈閉塞症の一因となっているという臨床報告があるにも関わらずトロンボモジュリンの性状からプロテインC経路は微細血管に限局して機能しているとされてきた。しかし、プロテインCレセプターの発現は微細血管よりもむしろ大血管に顕著であり、この分子の存在によって大動脈血管においても効率的な活性化が可能であることを示した。プロテインC経路によるin vivoでの凝固制御機構を解析するために現在マウスのプロテインC、プロテインCレセプター、トロンボモジュリンに対する抗体を作成している。プロテインCに関しては機能阻止抗体が作成できたので現在投与実験を行っている。その他の分子に関しても特異的抗体が得られているので順次解析を始めている。
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[Publications] Esmon,C.T.: "Inflammation,sepsis,and coagulation"Haematologica. 84. 254-259 (1999)
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[Publications] Shimazu,R.: "MD-2,a molecule that confers lipopolysaccharide responsiveness on Toll-like receptor 4"J Exp Med.. 189. 1777-1789 (1999)
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[Publications] Yamazaki,Y.: "Fibroblasts,glial,and neuronal cells are involved in extravascular prothrombin activation"J Biochem. 126. 655-661 (1999)
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[Publications] Ye,X.: "The endothelial cell protein C receptor (EPCR) functions as a primary receptor for protein C activation on endothelial cells in arteries,veins,and capillaries"Biochem Biophys Res Commun. 259. 671-677 (1999)
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[Publications] Akashi,S.: "Regulatory roles for CD14 and phosphatidylinositol in the signaling via Toll-like Receptor 4-MD-2"Biochem.Biophys.Res.Commun.. 268. 172-177 (2000)