2000 Fiscal Year Annual Research Report
家族性本態性血小板血症の病態および発症機序に関する分子生物学的検討
Project/Area Number |
11671008
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
脇田 充史 名古屋市立大学, 医学部, 助教授 (20264715)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
飯田 真介 名古屋市立大学, 医学部, 講師 (50295614)
上田 龍三 名古屋市立大学, 医学部, 教授 (20142169)
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Keywords | 家族性 / 本態性血小板血症 / トロンボポイエチン / c-Mp1 / 血栓症 / clonality |
Research Abstract |
家族性本態性血小板血症の一家系について家系調査を行い四世代にわたる43人の家系調査を行ったところ疑い症例も含めて10例の患者を見いだした。家系の中で10人はすでに死亡していたが、血小板増多による併発症が直接死因になった症例は確認できなかった。患者の中の最高齢者が経過中に骨髄繊維化を来して貧血が進行しており、さらに多発性脳梗塞と水頭症を来して死亡した。家系内の正常者9例と患者9例について血液検査を施行した。患者は2歳から66歳まで幅広く分布しており、本症においては出生時より血小板数の増加が認められることが示唆された。血小板数は70万/mm^3から150万/mm^3まで分布しており血小板数と臨床症状は相関がなかった。血栓症や塞栓症あるいは出血性合併症は脳梗塞で死亡した1例以外に認められず、血小板数増多による頭痛・頭重感などの症状が3例に認められた。血小板機能についてはADP凝集およびEpinephrine凝集が患者群で低下しており、家系内の正常者では低下が見られなかった。血小板粘着能は患者群でわずかに低下していると考えられた。血清トロンボポイエチンの値は家系内の正常者はすべて正常範囲で、患者では正常ないしはわずかに上昇を認めた。トロンボポイエチンは血中では血小板にassociateしているので血小板数が増加していることを考慮すると患者のトロンボポイエチンは増加していることが推察される。患者の内7例について口腔粘膜細胞の採取を行った。末梢血単核細胞よりDNAを抽出して同一患者の口腔粘膜細胞のDNAをコントロールとしてHUMARA遺伝子の多型性を用いてclonalityの有無を調べたがいずれの症例においてもclonalityは証明できなかった。これまでに報告のあるc-Mp1の変異について2例の患者で検討したが変異は同定できず、この家系での発症機序は異なる異常によるものと考えられる。
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[Publications] Tsuboi K: "MUM1/IRF4 expression as a frequent event in mature lymphoid malignancies."Leukemia. 14(3). 449-456 (2000)
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[Publications] Iida S: "A nobel human multiple myeloma-derived cell line, NCU-MM-1, carrying (2;11)(p11;q23) and (8;22)(q24;q11) chromosomal translocations with overexpression of c-myc protein."Int J Hematol. 172. 85-97 (2000)