1999 Fiscal Year Annual Research Report
リガンド誘導発病型マウスモデル作製によるCML病態の解析
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11671011
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
奥田 恵子 京都府立医科大学, 医学部, 助手 (70305572)
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Keywords | CML / 病態モデル |
Research Abstract |
本研究の最終目的は、リガンドにより白血病が誘導されるマウスモデルを作製する事であり具体的にはABLのチロシンキナーゼ活性を外因性のリガンド(エリスロポエチン)により迅速に[入][切]調節することにより慢性〜急性の白血病を発症するマウスのin vivoモデルを作製し、生体内変化の観察を試みようとしているものである。 初年度の今年は、レトロウィルスを用いてのキメラ受容体EPO R/ABL遺伝子感染法の確立に努めている。最終標的細胞はマウスの骨髄細胞であるが、現在はまだNIH3T3,Ba/F3といったマウス細胞株を用いて感染能力を評価しながら、培養上清に安定して高力値のウィルスを産生するPackaging cell lineの作製、選択に取り組んでいる。経過の詳細としては、先ずPackaging蛋白を安定に発現している293T,Psy-CreおよびBOSC細胞株を入手した。これらの細胞株に順次、EPO R/ABL cDNAを含んだプラスミドを導入、レトロウィルスを含む細胞培養上清をNIH3T3またはBa/F3培養液に添加し、遺伝子の感染導入を試みた。しかし感染導入の有無を目的蛋白の発現により確認したところ、いずれにおいてもNIH3T3,Ba/F細胞株に対して充分な発現を認めず、Packaging cell lineより産生されたウィルスの力値が低いことが疑われた。当初EPO R/ABL cDNAはpPLベクターに組み入れていた。pPLベクターにもレトロウィルスにおける発現性があるとされているが、これはおそらくpPLベクターの発現効率(能力)が低い為であると考え、同cDNAを別のレトロウィルス発現ベクターであるpLNCXに分子学的手法を用いてつなぎ替えを行い、引き続き細胞へのキメラ遺伝子感染法の確立を目指している。
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