1999 Fiscal Year Annual Research Report
造血前駆細胞におけるムチン型糖鎖とラクト系1型糖鎖発現の解析
Project/Area Number |
11671013
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
室井 一男 自治医科大学, 医学部, 助教授 (50190939)
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Keywords | 糖鎖 / 赤芽球 / 白血病 / 細胞株 |
Research Abstract |
CD36陽性、糖鎖抗原のsialyl-Tn陽性、neuron specific enolase陽性で、他の骨髄系抗原陰性、リンパ系抗原陰性、glycophorin A陰性、HLA-DR陰性、CD34陰性の急性白血病を経験した。当初、細胞のlineageが同定されなかったが、RT-PCRでglobin mRNAの発現を認めたことから、early erythroblastic leukemiaと診断した。患者の末梢血の白血病細胞を継代培養し、細胞株を樹立した。樹立した細胞(EBL-1と仮称)は、insulinとtransferrinを添加した培地で活発に増殖し、peroxidase陰性、esterase陰性であった。細胞表面抗原の検討では、CD36陽性、CD71(transferrin receptor)陽性で、他の骨髄系抗原陰性でリンパ系抗原陰性であった。幹細胞抗原であるCD34陰性、CD117(c-kit receptor)陰性、Thy-1陰性、CXCR-4陰性であった。HLA-DRも陰性。接着分子の検討では、CD29(β1 integrin)陽性、CD49d(VLA-4)陽性、CD49e(VLA-5)陰性、CD62P(P-selectin)陰性、CD62L(L-selectin)陰性であった。また、糖鎖抗原の検討では、sialyl-T陽性、sialyl-Tn陽性で、disialyl-T陰性であった。免疫化学では細胞内のneuron specific enolase陽性であった。また、RT-PCRでglobin mRNAの発現を認めた。これらの細胞の特性は、培養前の患者の白血病病細胞と類似しており、early erythroblastの性質を有していた。電顕の検討では、myeloperoxidase陰性、血小板peroxidase陰性で、ferritin顆粒陰性であった。EBL-1細胞は、CFU-Eに相当すると考えられた。EBL-1細胞とsialyl-Tn陽性のリンパ腫細胞や乳癌細胞を可溶化し、抗sialyl-Tn抗体を用いてWestern blotを行い、得られたsialyl-Tn蛋白の大きさを比較したが、sialyl-Tn蛋白は細胞の種類にかかわらずほぼ同じ大きさであった。今後、EBL-1細胞におけるsialyl-Tn mRNAの発現を検討し、EBL-1細胞の接着におけるsialyl-Tnの役割を検討する予定である。
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