1999 Fiscal Year Annual Research Report
白血病細胞におけるレチノイド耐性の分子機構の解明とin vivoモデルの作製
Project/Area Number |
11671016
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
高山 信之 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (50206893)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池田 康夫 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (00110883)
木崎 昌弘 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (20161432)
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Keywords | 急性前骨髄球性白血病 / all-trans retinoic acid(ATRA) / ATRA抵抗性 / PML-RARα / co-repressor |
Research Abstract |
急性前骨髄球性白血病(APL)はa11-trans retinoic acid(ATRA)による分化誘導療法が有効なことで特徴的な白血病である.本研究は,ATRAによる分化のメカニズムの解明を主にATRA耐性APL細胞株UF-1を用いて検討することを目的としている.UF-1は,APLに特徴的なPML-RARα蛋白のATRA結合ドメインにATRAとの結合能を低下させる点突然変異を有している. ATRA感受性のAPL細胞株NB4とUF-1の違いを検討するために,ATRA投与後のPML-RARα蛋白の発現について検討した.NB4においては,ATRA投与により,PML-RARα蛋白が崩壊することが知られており,これがATRA感受性の分化と関連があるものと考えられている.UF-1では,10^<-6>MのATRA濃度では.わずかに分化マーカーの発現がみられるが,それに呼応してPML-RARα蛋白の発現レベルの低下が認められた.しかし,NB4に比較すると発現レベルは低下するも残存しており,partialな分化と関連があるものと考えられた. UF-1におけるATRA抵抗性は,PML-RARαの点突然変異により,ATRA投与後もco-repressor蛋白が解離されないためとするのは興味あるモデルである.これを検証するために現在,co-repressorの一つであるSMRTとの結合能をin vitroで検討中である.
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