2000 Fiscal Year Annual Research Report
EBウイルスの関与に基づくNK細胞リンパ腫の腫瘍化機構の解析
Project/Area Number |
11671022
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Research Institution | Aichi cancer center |
Principal Investigator |
鏡味 良豊 愛知県がんセンター, 研究所, 研究員 (30270721)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
葛島 清隆 愛知県がんセンター, ウイルス部, 室長 (30311442)
森島 泰雄 愛知県がんセンター, 研究所, 研究員 (20220056)
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Keywords | NK / T細胞性リンパ腫 / Epstein-Barrウイルス / リンパ腫細胞株 / 濾胞樹状細胞 |
Research Abstract |
1.鼻型NK/T細胞性リンパ腫由来細胞株HANK1の特性に関する研究 NK/T細胞性リンパ腫由来IL-2依存性細胞株HANK1より、無血清培地で増殖する亜株を選択し、その特性について検討した。この細胞は、通常維持量のIL-2存在下では、増殖には、高密度での培養が必要であり、細胞表面に存在するCD7,CD56分子に対する抗体の添加により死滅した。しかしながら、これらの現象は、ヒト血漿の添加では認められなかった。さらに、本細胞株は牛胎仔血清での培養が困難であることから、ヒト血漿の増殖維持に関わる効果と細胞間相互作用につき今後検討する必要がある。 2.リンパ節内EBウイルス(EBV)再活性化機構の検討 節性T/NKリンパ腫のEBVの関与について検討したところ、血管免疫芽球性T細胞リンパ腫(AILD)の多数で、EBVの組み込みがクローン性に認められた。EBVの関連したリンパ腫において、リンパ節内EBV再活性化機構と腫瘍との関連につき検討するため、リンパ節内の免疫反応において重要な役割をはたすと考えられる濾胞樹状細胞(FDC)の役割を検討した。FDCの増生があり、EBVの検出される頻度の高い、AILDのリンパ節細胞とFDC由来細胞株との混合培養を行ったところ、EBV感染B細胞株が得られたが、この細胞株は、通常のリンパ芽球様細胞株と異なり、FDC由来細胞株に依存性の増殖を示した。以上より、リンパ節内EBV再活性化状態において、FDCの役割の重要性が指摘された。 3.鼻型NK/T細胞性リンパ腫に対する細胞傷害性T細胞クローンの誘導 HANK1細胞のHLA型につきDNAtypingを行ったところ、HLA-Aが0207と2402であり、日本人に比較的頻度の高い型であった。前年度に引き続き、同一のHLA型をもつ健常者より、EBV感染により、lymphoblastoid cell lineを樹立し、現在細胞傷害性T細胞クローンの選択を施行中である。
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Research Products
(1 results)